2022年3月4日、ワシントンDCのアップル旗艦店の外に、ウイグル人強制労働キャンプの模型を設置した活動家。- デモ参加者はハイテク大手アップルに対し、ウイグル人強制労働の使用をやめるよう求めた。(写真:Nicholas Kamm / AFP)(Photo by NICHOLAS KAMM/AFP via Getty Images)

国連、訪中高官の発言を訂正 「中国メディアが誤引用」

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、中国官製メディアが訪中した国連人権高等弁務官バチェレ氏の発言を誤って引用したとして訂正を行った。米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)がこのほど、報じた。

OHCHRのリズ・スロッセル報道官がVOAに寄せた電子メールによると、バチェレ氏が「貧困撲滅における中国の成果を称賛する」と発言したが、国営の中国中央テレビ(CCTV)は「貧困撲滅、人権保護、経済・社会発展の達成における中国の努力と成果を賞賛する」と報じた。

「中国は多国間機関で重要な役割を担うことができる」との発言は「多国間主義の維持における中国の重要な役割を称賛した」として報じられた。

また、在イラク中国大使館が公式ツイッターに「バチェレ氏は、中国が経済、社会の発展及び人権の保護において重要な成果を上げたことに祝辞を述べた」と投稿したが、OHCHRは元の発言が「この訪問が中国と世界の人権を促進するための協力の助けになることを願う」であるとし、訂正を行った。

人権団体は、中国官製メディアの一連の誤引用・誤記は、中国政府がバチェレ氏の訪問を、自らの人権迫害問題をもみ消すための宣伝に利用していることを改めて裏付けたと指摘する。

OHCHRウイグル人権プロジェクトの幹部ピーター・アーウィン氏は「現在、中国の国営メディアによる訪問の報道と、我々の組織が収集した事実とのギャップは、もはや大きすぎる」と述べた。

米国を含む国々や複数の人権団体は、中国当局が新疆ウイグル自治区のウイグル族に対して人道に対する罪や大量虐殺の罪を犯していると非難している。100万人規模のウイグル人に集団拷問、不妊手術、強制労働を強制しているという。今年初めには、この問題をきっかけに、欧米各国は北京冬季オリンピックに政府代表団を派遣しないと外交ボイコットに踏み切った。

 

 

(叶子静)

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