強力な抗酸化作用を持つスーパーフード 黒ニンニクは老化防止効果が高いです(2)

黒ニンニク健康効果トップ4

黒ニンニクに関する最も説得力のある知見は、加熱、保湿、カラメル化、発酵という工程が、すでに存在する栄養素を強化し、既存の栄養素を新しいものに変化させるという点にあります。これらの変化により、黒ニンニクは体内での治癒力や保護力の点で通常のニンニクより優れています。

黒ニンニクのSAC(S-アリル-L-システイン)含有量を総合的に調査した結果、黒にんにくは通常のニンニクよりも抗酸化作用に優れていることが判明しました。

抗酸化物質の最も有益な効果の1つは、体内のフリーラジカルを破壊する能力です。フリーラジカルは、炎症、紫外線、大気汚染、電離放射線、農薬、アルコール、喫煙など、さまざまな要因で生成されます。このフリーラジカルは老化を促進し、多くの病気の要因になることが分かっています。

黒ニンニクには他にも多くの素晴らしい治癒効果があり、「スーパーフード」と呼ばれるにふさわしい食材です。

1.炎症を抑える

炎症は、自己免疫疾患、代謝異常(糖尿病、肥満)、がんなど、多くの最も破壊的な疾患の根源となっています。黒ニンニクに含まれるSACは炎症を抑え、数年後の炎症性疾患の発症リスクを低減させることができます。

また、炎症を抑えることで、アルツハイマー病やパーキンソン病などの認知疾患の発症リスクを低減し、記憶力や認知機能の向上に役立つ可能性があります。

台湾の研究者が2021年の『Molecules』誌に発表したところによると、黒ニンニクとその生物活性化合物は脳を保護する効果があり、神経変性疾患や認知機能低下の予防に役立つ可能性が示唆されています。

2.発がん性リスク低減

多くの研究により、黒ニンニクはある種のがん細胞を破壊することが分かっています。黒ニンニクは、白血病細胞のアポトーシスを増加させ、肺がん、乳がん、胃がん、肝臓がん細胞の細胞毒性(がん細胞に対する毒性)を高めることが確認されています。また、『分子医学レポート』(Molecular Medicine Reports)と『生物医学レポート』(Biomedical Reports)の研究では、黒ニンニクはヒト胃がん細胞の腫瘍の大きさと重さを減らし、大腸がん細胞の成長を抑制しました。

韓国の忠南大学校の別の研究では、黒ニンニクには肝臓保護作用、つまり肝臓をダメージから守る作用があることが示されました。

3.免疫力を高める

免疫システムは、病原体の侵入を防ぐための最初の防衛線です。一般的なニンニクに含まれるアリシンは、抗菌作用があることが知られています。 しかし、アリシンが黒ニンニクに含まれるSACに変換されると、さらに強力なツールとなるのです。体内に住み着こうとする侵入者を破壊することで、カンジダなどのウイルス、細菌、真菌感染から体を守るのです。

4.循環器系の改善

心臓血管に問題がある方、またはそれを予防したい方は、黒ニンニクを食事に取り入れるとよいでしょう。黒ニンニクは、動脈硬化、血液凝固、高血圧、脳卒中などの心血管障害のリスクを低減することが示されています。

『生理学のフロンティア』(Frontiers in Physiology)に掲載された研究では、黒ニンニクは循環抗酸化レベルを向上させることにより、冠動脈疾患患者の心臓機能を改善しました。また、同じ研究で、黒ニンニクに含まれる27種類の主要化合物には強い抗酸化作用があることがわかりました。

『栄養素』(Nutrients)誌に掲載された別の研究では、黒ニンニクの摂取が、コレステロール値が高い被験者の血圧を下げるのに役立つことがわかりました。

また、黒ニンニクには心臓をダメージから守る心保護作用があるという研究結果もあります。
 

黒ニンニクの入手方法

多くの人が、黒ニンニクという言葉を初めて耳にしたかもしれません。アジア諸国では古くから使用されていますが、欧米では一般的ではなく、食料品店でも通常手に入りません。

10年ほど前に高級料理人の間で流行りましたが、それ以外では特に知られていませんでした。もし見かけたら、それは1ポンド(約453g)で20ドル以上とかなり高価だと思います。

もちろん、自分で作ってみてもいいです。黒ニンニクの作り方は簡単ではありませんが(主に時間がかかるため)、不可能ではありません。インターネット上では、脱水機、スロークッカー、電気炊飯器を使った3種類の黒ニンニクの作り方が紹介されています。
 

著者について:Emma Suttieは、中国漢方医、鍼灸師であり、ウェブサイト「Chinese Medicine Living」の創設者です。

(翻訳:香原咲)

エポックタイムズ のヘルスライター、鍼灸医。担当は東洋医学、栄養学、トラウマ、ライフスタイル医学など。過去10年にわたり複数の出版物で健康に関する幅広い執筆経験を持つ。