「人を憂鬱にする食物」あなたは食べ過ぎていませんか?

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私たちの周囲には、過剰な加工をくわえた食品や高糖質の食品、高脂肪の食品があふれています。

 

食事内容は情緒に関係するか

これらの食品は、いわゆる3高(高血圧、高血糖、高脂質)のリスクを高めるだけでなく、私たちの情緒にもマイナスの影響を与えることが知られています。

豪マッコーリー大学の最新の研究によると、食事内容の問題点を是正すれば、3週間で抑うつ症状が改善されると言います。

マッコーリー大学の研究者らは、調査に協力してくれた17~35歳の、中程度から重度のうつ病患者76人を対象に、食事内容とうつ病との関連を調べました。

研究者はまず被験者の日常の食事内容を調査し、彼らが過剰な糖分、飽和脂肪酸、加工食品を日常的に摂取していることを発見しました。

次に、被験者をランダムに2グループに分け、「従来の食事グループ」と「食事を変更するグループ」に設定しました。両グループの被験者は、これまで通り抗うつ薬を服用し続けますので、食事内容だけが比較対象になります。

 

食事を変えたら明らかな改善効果

通常食グループは、今までと同じ食事内容で3食をとります。

食事を変更したグループでは、精製された炭水化物、砂糖、飽和脂肪酸、加工食品の摂取量を大幅に減らします。その一方、全粒穀物野菜果物、脂肪分の少ない赤身肉、鶏卵、豆腐、豆類、オリーブ油大さじ2杯、ウコンまたはシナモン小さじ1杯を毎日とるようにします。

3週間後、通常食グループは、抑うつ、不安、ストレスを表す数値に明らかな変化はみられませんでした。

一方、食事変更グループでは、抑うつ値が平均7.2から4.4に、不安レベルは6.3から3.4に、ストレス値は7.7から4.8になるなど、いずれも大幅に減少していたのです。これらの数値は、すでに健常者の範囲に入っています。

3ヶ月後、研究者が食事変更グループの被験者を訪問して聞き取り調査したところ、7人が実験時の健康な食習慣を維持しており、抑うつ症状の改善効果が持続していたことを確認しました。

この研究結果は、食事内容の適切な変更が、抑うつ症状を改善する効果的な方法の一つであることを示唆しています。

 

インスタント食品には要注意

昔から「インスタント食品を多く食べると抑うつになる」と言われるように、これまで医学界では、食事が人間の情緒に与える影響について研究が続けられてきました。

実際のところ、人は満足感を得るために「おいしいインスタント食品」を食べることが多いものです。しかし研究によると、インスタント食品は「短い喜び」をもたらすだけで、実際には、人間の情緒に「ネガティブな感情」を引き起こしやすいことが分かっています。

英グラスゴー大学は、腸で吸収された飽和脂肪酸が血液を通じて脳にしみこみ、抑うつ症状を引き起こすことについて、インスタント食品およびその他のジャンクフードに関する研究を発表しました。

その結果、研究チームは「飽和脂肪酸の摂取を減らすことは、健康維持に有益であるだけでなく、より幸福感をもてる精神状態の維持にもつながる」と指摘しています。

インスタント食品にはいろいろな種類がありますが、総じて味が濃く、とくに塩味が強いものが多いと言えます。医師である林旭華氏によると、塩分の多い食物は血圧を上昇させるだけでなく、感情の起伏を激しくするため、精神面への弊害も大きいと言います。

 

「幸せホルモン」を増やす食品

セロトニンは、人間の情緒に関係する神経伝達の重要な物質で、「幸せホルモン」と呼ばれます。セロトニンの濃度が低すぎると、気分が沈み、抑うつ症状が出やすくなります。

セロトニンを合成する物質として、トリプトファン、ビタミンB 6、ビタミンB 12、葉酸、オメガ3脂肪酸などがありますが、これらが欠乏するとセロトニンの体内合成がうまくいかなくなるのです。

トリプトファンを前駆体とするトリプタミンは、体がセロトニンを作る主要な物質です。
トリプタミンを多く含む天然食品には全粒穀類、肉類、大豆製品、魚類(マグロ、サバ、サケなど)、バナナ、牛乳、ナッツ類などがあります。

また、ビタミンが豊富な濃い緑色の野菜や果物も有効です。これらの食物を十分にとってから、屋外で日光を浴びて運動するとセロトニンの分泌が活発になります。

 

砂糖では得られない「本当の幸せ」

糖分の摂取はインスリン濃度を上昇させることで、確かに体内のトリプトファンを優先的にセロトニンに変換します。

ただし、先述のマッコーリー大学の研究によると、抑うつ症状の実験に参加した被験者は、普段から糖分を多く摂る習慣があったにもかかわらず、深刻な抑うつ状態に陥っていたことが明らかになっています。

つまり、「糖分を過剰摂取しても、セロトニンの増加にはつながらない」ということです。

それと同じく、「糖分を多く摂取して脳が快感を得ることは、中毒になりやすい」ということも記憶しておかなければなりません。

(翻訳編集・鳥飼聡)

蘇冠米