6月13日、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はルクセンブルクで中国の外交担当トップの楊潔チ共産党政治局員と会談を行い、両国間の競争を管理するための対話手段の確保を呼びかけた。米ホワイトハウスが明らかにした。写真は5月18日、ホワイトハウスで記者会見するサリバン大統領補佐官(2022年 ロイター/Evelyn Hockstein)

米補佐官、中国外交トップに懸念伝達 北朝鮮制裁巡る拒否権発動に

[ワシントン 13日 ロイター] – 米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日、ルクセンブルクで中国の外交担当トップの楊潔チ共産党政治局員と会談し、中国が5月に国連で北朝鮮に対する追加制裁決議案に拒否権を行使したことへの懸念を伝えた。

4時間半の会談後、米政府高官が記者団に明らかにした。

高官によると、サリバン氏は北朝鮮問題について「米中が協力できる分野だと考えている」とも伝えた。

両氏は5月後半に電話で会談しており、サリバン氏はその後、バイデン大統領と習近平国家主席が近く電話会談する可能性があると述べていた。現時点でそうした会談の発表はない。

米高官は、10日の国防相会談など両国は高官級の対話を維持していると説明。米中首脳会談や電話会談の可能性が協議されたかとの問いには「今後数カ月間に追加の会談が行われる可能性があるが、現時点で具体的な予定はない」と答えた。

ホワイトハウスはこれより先、13日の会談で両国間の競争を管理するための対話手段の確保を呼びかけたと発表。「5月18日の電話会談に続く今回の会談では、世界・地域の安全保障問題や米中関係の重要課題について率直で実質的、かつ生産的な議論が行われた」とした。

関連記事
何てことをしてくれるのかーー。北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとの報を受け、在日朝鮮人のパク・ヨンさん(仮名、40代)は肩を震わせた。おりしも日本と北朝鮮はサッカーで予選枠を競っていた。冷酷で傲慢な金正恩体制、日本での静かな営み。二国間のはざまで在日朝鮮人は複雑な思いを抱えていた。
外交関係者の話によると、北朝鮮は国連制裁に違反し、中国の10以上の都市で北朝鮮人従業員を雇用した50以上のレストランを経営しているという。これらレストランの収益の大半は、北朝鮮政権によって核・ミサイル開発資金に充てられていると見られている。
北朝鮮情勢を語る上で、中朝露の三角関係を考慮せずにはいられない。北朝鮮が領土的野心をあらわにし、イランも核開発を加速させるなか、世界情勢のきな臭さは一段と増している。
北朝鮮が立て続けにロケットを打ち上げる背景には、中露という「悪の枢軸」と米国との熾烈な駆け引きがある。大国間のパワーゲームを理解することで、北朝鮮の核・ミサイル問題の本質を見定めることができる。
岸田文雄首相は21日朝、北朝鮮が人工衛星を発射すると通告してきたことを受け、「弾道ミサイル技術を使用するなら一連の国連安保理決議違反」と非難した。