中国に米防衛情報を漏らしたとして元米軍パイロットの米国防関連の請負業者が有罪認めた。

元米軍パイロット、中国に防衛情報漏えいの容疑認める

元米軍ヘリコプター・パイロットのシャプール・モイニアン被告(67)は23日、中国に米国の防衛関連情報を漏洩させた容疑を認めた。米司法省が発表した。

被告は、中国政府から数万ドルの報酬を受け取った。国家安全保障のバックグラウンド・チェックの際に虚偽の陳述を行ったことも認めた。

被告は20年以上にわたって米軍で働き、退役後も民間の請負業者として米国防総省のほか、複数の防衛秘密を扱う企業と仕事してきた。期間中、「中国テクノロジー企業の求人担当」と名乗る中国人から、中国の航空会社にコンサルティングサービスを提供してほしいと声をかけられた。

被告は2017年3月、香港で「中国側との連絡役」と面会し、米国の技術情報を提供する代わりに7000~10000ドル(約94万~134万円)の報酬を受け取った。被告はこの連絡役が中国政府のために働いていると承知していたことを示す証拠もあるという。

被告は帰国後に関連情報の収集を始めた。同年9月に上海空港で、さらに18年はバリで、19年は香港でたびたび中国側と接触し、情報提供と引き換えに報酬を受け取っていた。香港で受け取った報酬は22000ドル(約295万円)だった。

さらに、被告は継子の韓国口座に報酬を振り込むよう中国側に依頼していたことも判明している。入金後、継子から自身の米国口座に送金するよう手配していたという。

司法省は声明で、今回の事件では、元米政府職員が中国政府の代理人として行動し、中国情報当局がソーシャルメディアを徹底的に利用して、希望する標的を特定するのを目の当たりにしたと述べた。

被告は現在、約15年の懲役と最高50万ドル(約6700万円)の罰金に直面しており、判決は8月末までに言い渡される見通しとなっている。

(翻訳編集・李凌)

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