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チンギス・カンーー怒りを抑えれば、強敵に勝るも同然(中)【千古英雄伝】

怒りを抑えれば、強敵に勝るも同然

『黄金史綱』によると、チンギス・カンはよく子どもたちや弟たちに教えを説きました。国家を治める方法や、家族や親族を導く智慧など、必要に応じて、次から次へと湧き出てきたといいます。

チンギス・カンはよく、この大きな土地と民、そして、心を一つにする親族や臣下を授けてくれたテングリ(天上神)に感謝しています。

「我は、日が出る場所から日が沈む場所まで戦った。

偉大なテングリは我に世界を授けた。

国を振興するため、多く兄弟、子孫が生まれ、

国を治めるため、多くの長老、策士に出会えた。

テングリは我に智慧を授け、多くの国をひとつにまとめる力を授けた」

チンギス・カンにとって、家族や民が築き上げたすべては、テングリの賜物です。チンギス・カンは子弟たちに、苦を恐れず、伝統を継承し、常に言葉を慎み、確固たる意志をもって自分が築き上げてきた功業と帝国の繁栄を維持していくことを望んでいます:

「テングリは我にいくつもの国を与えてくれた。

我が子弟、親族たちよ、

苦を恐れず、我が築き上げたこの国家を

我が築き上げたすべてを守るのだ」

また、チンギス・カンは子弟たちに、決して事実を無視してでまかせを言わないこと、高慢で横柄な態度を取らないことを言い聞かせました。モンゴル人は戦いに長けていますが、普段の生活においては自分の情緒を抑え、常に冷静さを保つよう求めています。

「怒りを抑え、でまかせを言わなければ、

どんな強敵にも勝てよう。

怒りをも抑えることができなければ、

誰を従わせることができるというのだ?」

「今にも飛び出そうとする怒りを静め、

傲慢無礼な態度を改めれば、

お前たちに勝る敵はいない。

肝に銘じよう。虚勢を張り、かんしゃくを起こすことは、誰をも服従させることはできない」

チンギス・カンはその生涯をもって、寛大な心で人を受け入れ、仁義を重んじ、親切に民と接することを示しました。常に家族のことを大事に思い、子弟への教育を心がけ、時には、比喩などを使って道理を分かりやすく説明しています。

「山は高くそびえているが、それでも、その頂上に登れる野獣はいる。だから、お前たちは決して思いあがってはいけない。手の届かない存在になってはいけないのだ。そして、謙虚な心をもって経験や知識を積みなさい」

(つづく)

参考文献:『黄金史綱』『チンギス・カン箴言集』

(翻訳編集 天野秀)

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