2022年5月8日、香港行政長官選挙で当選した李家超氏 (Photo by Anthony Kwan/Getty Images)

香港政府、一部メディアをシャットアウト 本土返還記念式典などで

7月1日に中国本土返還25年記念式典と、李家超(ジョン・リー)次期行政長官の就任式を控える香港では、同政府が28日に少なくとも報道機関7社の記者10数人に対し、式典などに関する取材活動を禁止した。

香港記者協会の声明によると、香港政府のメディア規制当局である新聞処は「セキュリティー上の理由」から、香港紙の明報、サウスチャイナ・モーニング・ポスト、香港01、海外メディアのAFP通信、ロイター通信などの記者に対して式典などの出席許可を取り消した。当局はこれらの記者の代わりに、他の報道スタッフの出席を申請してもよいとしている。

各報道機関は新聞処が突然対応を変更したことに困惑し、「現場に他のスタッフをすぐに手配できない」という。

当局は今月下旬、感染対策の理由で「招待された」メディアだけが記念式典や就任式に出席できるとした。出席できる記者やカメラマンの人数について、最多20人との上限を設けた。

香港メディアの香港自由新聞、日本の共同通信、日本経済新聞、朝日新聞、米画像配信大手のGetty Imagesなどは、香港政府から取材許可を得られなかった。

香港記者協会は、政府の対応は「香港の報道の自由を著しく損なう」ものであり、ジャーナリストの責務遂行を妨げたと批判した。

いっぽう、中国の習近平国家主席と彭麗媛夫人は7月1日の行事に合わせ香港を訪問する予定。香港メディアによると、習氏らは30日に高速鉄道で香港入りし、関連イベントに参加した後、いったん広東省深セン市に戻る。翌7月1日に再び香港を訪れる。

 

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