質の良い深い睡眠をとることが、記憶力の向上や認知症の予防につながります。(Shutterstock)

思い出せないのは物忘れ? それとも認知症? 脳の退化を逆転させる6つの方法(3)

認知症の原因となる危険因子は生活の中にたくさんあり、脳にダメージを与え、脳の働きを鈍らせ、記憶力に影響を及ぼします。物忘れを改善し、認知症を予防する方法はいくつかあります。

3. 地中海食

野菜を中心とした地中海食は、認知機能の低下を遅らせ、うつ病を和らげ、脳の容積をより多く保持するなど、脳への効果を示す多くの研究があります。

昨年1月にシカゴのラッシュ大学が発表した大規模な研究では、厳格な地中海食生活を続けた高齢者の脳が若くなったことが発表されました。

1993年から2012年にかけて、65歳以上の成人5000人以上を対象に認知機能評価を実施しました。その結果、野菜や果物、全粒粉、魚、オリーブオイル、ナッツ類、豆類などを含んだ食事をし、逆に、揚げ物、精製穀物、菓子、赤肉、加工肉などの食品を制限した食事を長期間続けた人は、脳が5.8歳若返っていることがわかりました。

若い人も地中海食を取り入れると、同じように効果的です。2015年に雑誌『栄養』(Nutrition)に掲載された研究では、地中海食を10日間だけ取り入れた若い被験者も、気分、記憶、心肺機能が改善された事がわかりました。

 

この研究では、厳格な地中海食を続けた高齢者の脳が5.8歳若返っていることが判明しました。(Shutterstock)

 

4. 良質な睡眠をとる

夜更かしを避け、睡眠障害の場合は治療を受け、質の良い深い睡眠をとることが、記憶力の向上や認知症の予防につながります。

林志豪氏によると、深い眠りは記憶力を強化し、神経毒や脳内の異常なタンパク質の蓄積を取り除き、認知症のリスクを低減させる効果があるそうです。

また、睡眠の質が悪いと、ストレスに対する抵抗力が低下したり、興奮しやすくなるなど、心理的な影響もあります。

5. 3高のコントロールとダイエット

肥満の人は、脳の退化を防ぐために減量することが重要です。なぜなら、中高年期の認知症の危険因子である高血圧、糖尿病、高脂血症など、肥満による代謝性疾患の多くを減量によって改善できるからです。

血圧、血糖、コレステロール「3高」(特に高血圧)をコントロールすることは、認知症の予防にもつながります。「高血圧について十分に知らない人が多い」と林志豪氏は述べ、「慢性的な高血圧は動脈硬化を引き起こし、その結果として認知症になることが多い」と説明しました。

6. 禁煙、アルコールはできるだけ控える

喫煙は血管を硬くし、脳に悪影響を与える成分が多く含まれています。また、アルコールの弊害は見過ごされがちですが、長期飲酒は脳に大きなダメージを与えます。ですから、脳の健康のためには、タバコをやめ、アルコールもなるべく控えたほうがよいでしょう。

(完)

(翻訳・香原咲)

関連記事
 【大紀元日本11月3日】複数の言語を生涯にわたって話すことは、老いてから報われるかもしれない。最近の研究によれば、バイリンガル(二言語を話す人)は老年認知症の症状を平均4年遅らせることができるという
イギリスのキール大学(Keele University)とサセックス大学(University of Sussex)の研究者が、学術ウェブサイトPLOS ONEに最近掲載した論文で、「おそらくミツバチが減少した主な原因は近代の最大汚染物質、アルミニウムである」と指摘した。
認知症の発症は社会性の低下に大きく関連している。家族や友人と頻繁に接触して、活動的になることが認知症予防になりうる。
あなたは一日に、何時間ぐらい寝ますか。新たな研究では、睡眠時間が短すぎたり、あるいは長すぎたりすると、脳の健康に悪影響を及ぼし、認知症のリスクが高まると指摘されています。
認知機能の低下は、人の老化を示す兆候のひとつですが、研究者によると、食生活を改善することで、認知機能の低下の速度を遅らせることができるといいます。