夏の風邪にも有効「自然療法が実は早道です」

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日本語で風邪(ふうじゃ)と書き、これを「かぜ」と読み習わす病名の語源は、実はよく分かっていません。

どの季節でも「風邪を引く」

ただ、平安時代前期に成立した『竹取物語』にも、病気としての「かぜ」が出てきますので、かなり古くからこの言い方はあったようです。

おそらく「風で運ばれてくる邪気を体に引き込むことで発症する」と考えられていたのでしょう。そのため、この病気に限っては、罹る(かかる)ではなく、「風邪を引く」と言います。

風邪は、一般に寒冷期の冬に多いと言われますが、実は夏風邪もあり、秋口の風邪もありますので、年間を通じて罹患する可能性のある病気です。

英国の大手紙『ガーディアン』は、通常の風邪がもつ2つの特徴として、「世界で最も広範な伝染病であり、また、最も根治しにくい伝染病である」と述べています。

さて、こうした広義の風邪、つまり「かぜ症候群」では、喉の痛み、、くしゃみ、鼻水頭痛発熱悪寒、関節や筋肉の痛み、倦怠感などの各症状がよく知られています。

抗生物質は全く効きません

いずれにしても、これらはウイルス感染によって発症するものです。そのため、細菌感染に対して処方される抗生物質は、風邪には全く効きません。

したがって、ガーディアン紙の言う「最も根治しにくい伝染病」という表現は、総じて的を得ていると言って良いかもしれません。

つまり「風邪に効く特効薬」は、現段階ではないのです。
では、どうしたらいいでしょう。自身の免疫力が最良の状態になるよう努めて、回復を待ちましょう。それとともに、不快な症状が出ている期間をできるだけ短くするために、それぞれの症状を緩和する昔からの自然療法を試してみても良いでしょう。

なかでも、天然のハーブを使った自然療法が、世界の東西に伝わっています。
中共ウイルス(新型コロナウイルス)の世界的流行がまだ収まっていない今日、こうした自然療法への関心が再び高まっているのも不思議ではありません。

楡の樹皮。北米の先住民族の人々は、これを利用して、風邪にともなう咳や喉の痛みを緩和してきました。(Shutterstock)

北米先住民が使った「楡の樹皮」

その一例を、ご紹介しましょう。

スリッパリ・エルム・バーク(Slippery Elm Bark)は「楡(にれ)の樹皮」のことで、北米の先住民族の人々が、古くから炎症の緩和や喉の痛みを鎮めるために利用してきました。
また、甘草(カンゾウ)は漢方医学の生薬として、風邪の諸症状の緩和に処方されています。

この2種の生薬は、英国の医学誌に紹介され、いずれも「有効である」と評価されたものです。

評価するに当たっては、急性咽頭炎の外来患者60人に対して、グループ分けをしたうえで被験者本人には中身を知らせずに、楡皮のお茶、甘草のお茶、同じ味のプラセボ(試験用偽薬)のお茶を一定期間、1日4~6回ほど飲んでもらい、薬効を比較検証するという方法をとりました。

実験で得られたデータは、2種の生薬茶が、いずれもプラセボより効果的であることを示しました。ただし、例えば喉の痛みが緩和されるのは30分程度の短時間に限られますので、あくまでも根治ではなく、一時的に症状を和らげる意味での効果です。

左側の棒状のものが甘草。黒い加工品が、甘草を原料とする甘草糖です。(shutterstock)

「コロナ禍」から何を学んだか?

そのほか、ユーカリ、ミント、甘草から作られた清涼感のあるハーブティーは、風邪の不快な症状を緩和し、喉の痛みを和らげるのに役立ちます。食塩水でうがいをすることも、喉の痛みや不快感を和らげる手軽な方法として、昔からよく行われています。

風邪の症状がひどい時や、子供や高齢者が高熱を出すなど緊急の場合は、もちろん病院の医療にかかるのが先決です。

ただし、症状がそれほどひどくない段階において、自然免疫力を考慮せず、自己判断で市販の風邪薬や解熱剤に頼ることは、かえって適切でない場合もあります。

人間がもつ免疫力を信じて、これを最大限に活かすことが、昔から世界各地に伝わる自然療法の基本的な考えです。そのことは、この度のコロナ禍を通じて現代人が学んだ「教訓」と言えるかもしれません。

(翻訳編集・鳥飼聡)