7月8日に死去した安倍晋三首相。写真は7月2日に撮影されたもの(KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

安倍元首相の死を喜ぶ中国人に苦言 河北省教授のSNS永久凍結

安倍晋三元首相の急死を祝う中国市民に苦言を呈した、河北省にある唐山師範学院の石文瑛教授のSNSが永久凍結された。

教授は8日、「私の周りには、安倍さんの死を喜ぶ根の腐った輩がいないのは幸いなことだ」「同じ中国人であることが恥ずかしい」などとSNSに投稿した。その後、愛国主義者の批判が殺到し、アカウントは永久凍結された。

一部のユーザーは同教授の所属大学に対して「厳しい処分をするよう」呼びかけている。

中国のポータルサイト「網易」にも、「勤め先や地方政府は彼女を直ちにクビにしなければ、唐山はまた注目の的となる」という内容の記事を掲載した。

唐山は先月、男9人による女性客4人への集団暴行事件が発生し、全国から非難の声が殺到した。

大翻訳運動、過激な言論をさらけ出す

愛国主義者の過激な言論は多くの人の怒りと反感を引き起こしている。有志の翻訳グループ「大翻訳運動」は公式ツイッターで、これらの言論を「さらけ出して世界に知らしめる」と宣言した。

「大翻訳運動」とは、中国のSNSで発信されている過激な言論や、反米や反日感情をあおる宣伝を外国語に翻訳し、SNSを通じて海外に知らしめる動きだ。

「大翻訳運動」によると、安倍氏の銃撃事件発生後の74分以内に、すでに多くの店で「お祝い」キャンペーンを開始していたという。

海外メディアも相次ぎ、安倍元首相の死を喜ぶ中国人の発言を取り上げた。「大翻訳運動」はこうしたメディアの報道を中国語に翻訳し、「あなたたちの醜態はすでに世界中に知られている」とツイッターなどに投稿した。

(翻訳編集・李凌)

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