ナスは栄養価が高く、高血糖の予防やダイエットにも効果的ですが、調理がとてもデリケートな食材です。 (Shutterstock)

ダイエット 美容 便秘に効果が期待 ナスの食欲増進レシピ

ナスは栄養価が高く、胃のムカムカや食欲不振など、夏バテの症状を予防・緩和する効果があります。カロリーは非常に低く、ナス100gあたり約18キロカロリーで、キュウリ(13キロカロリー)やモヤシ(15キロカロリー)と同程度なので、ダイエット中の方にも適しています。また、ナスの形や柔らかさは普通の野菜とは違い、調理法も工夫されています。

 

ナスの健康効果

ナスは一般的な野菜ですが、その栄養素を意識していない方も多いのではないでしょうか。ナスに含まれる注目すべき栄養素には、次のようなものがあります。

1.便秘解消や健康増進に役立つ「食物繊維

ナスには100gあたり約2.2gの食物繊維が含まれています。食物繊維は、便秘の予防や解消に欠かせない栄養素で、腸内環境の改善に役立ちます。また、食後の血糖値の急激な上昇を抑制し、血中コレステロールを低下させる働きがあるので、血糖値やコレステロール値が気になる方は、常にナスをレシピに取り入れるとよいでしょう。

2.むくみを解消し、高血圧を予防する 「カリウム」

ナスは100gあたり約220mgのカリウムを含み、これはキュウリの1.1倍、もやしの3.2倍に相当します。 カリウムは体内の余分な塩分を排泄し、塩分の摂りすぎによるむくみの解消や高血圧の予防に役立ちます。

3.脳卒中のリスクを軽減する「葉酸

ナス100gには32μgの葉酸が含まれています。もやしには劣りますが、きゅうりの1.3倍なので、ナスを食べることでも葉酸を摂取することができます。葉酸は、妊婦や胎児に良いだけでなく、心臓病や脳卒中のリスクを軽減する効果もあります。

4.抗酸化物質ポリフェノール

ナスの皮には、動脈硬化やがん、老化、免疫機能低下の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用を持つポリフェノール、アントシアニン成分「ナスニン」が含まれています。そのため、ナスは美容のための日常食としても適しており、視力や眼精疲労の改善にも効果的です。

 

ナスには、体に良い様々な栄養素が含まれています。 (Shutterstock)

 

栄養を無駄にしないために、ナスは皮ごと食べよう

ナスには体に良い栄養素がたくさん含まれていますが、調理の過程で栄養素が失われたり、カロリーの大幅な増加につながることがあるので、調理の際には以下のことに注意すると良いでしょう。

1.ナスを皮ごと食べる

ナスの食物繊維やポリフェノール(ナスニン)は皮に多く含まれているので、なるべく皮ごと調理することが大切です。皮が硬くて食べにくい場合は、硬い部分を切り取って、残りの皮は食べるようにしてみてください。

2.ナスは長く水につけない

ナスを調理前に水に浸すと、苦味が取れ、酸化や変色を防ぐこともできますが、長時間浸すと中の水溶性ビタミンやミネラルが流れ出てしまいます。 水に浸ける時間は5~10分程度にとどめておくとよいでしょう。

3.油分の摂りすぎに注意する

ナス自体は低カロリーの野菜ですが、調理の過程で他の野菜よりも油を吸収しやすい傾向があります。 例えば、ナスは100gで18キロカロリーですが、揚げナスにすると油を吸って142キロカロリーまで増加します。カロリーを摂りすぎないよう、ナスを蒸したり焼いたりして調理すると、少量の油で済みます。

少ない油でもおいしく食べられるナスの調理法を2つご紹介します。

・切ったナスに油をまぶし、電子レンジである程度加熱してから炒めます

・ナスを塩漬けにして余分な水分を絞り出してから調理します

 

夏にぴったりのナスレシピ

[豚ひき肉とナスのピリ辛炒め]

ナスと豚ひき肉を豆板醤でピリ辛炒めにしたメニューです。夏の暑さで食欲がなくなりがちなとき、スパイシーなガーリック風味が食欲を刺激してくれます。豚肉に含まれるビタミンB1は、炭水化物の代謝に欠かせない栄養素で、ビタミンB1を補うことは夏バテ解消にもつながるため、ビタミンB1摂取に適した食材と言えます。

 

豚ひき肉とナスのピリ辛炒め。 (Shutterstock)

 

材料(2人前)

豚ひき肉…150g

ナス…2本

豆板醤…小さじ1/2

ニンニクのみじん切り…少々

薄力粉…小さじ2杯

ごま油…大さじ1

その他の調味料

オイスターソース…大さじ1

みりん…大さじ1

しょうゆ…大さじ1

作り方

1.ナスは縦半分に切り、それぞれ斜め切りにして5分ほど水にさらし、水気を切ります。

2.フライパンにごま油、豚ひき肉、豆板醤、にんにくのみじん切りを入れて、中火で豚ひき肉に泡が出るまで炒めます。水気を切ったナスを加え、しんなりするまで炒め、薄力粉を入れ、ナスに付着するまで混ぜます。残りの調味料を加えて炒めると出来上がりです。 

(翻訳・李明月)

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