2022年6月2日、記者会見で発言するオーストラリアのアンソニー・アルバニージ首相。 (Tracey Nearmy/Getty Images)

中国「関係改善に4条件」 豪州が一蹴「国益譲歩しない」

豪州のアンソニー・アルバニージ(Anthony Albanese)首相は11日、中国が両国関係を改善するために挙げた4つの条件について、「応じない」とメディアに明かした。

アルバニージ首相は、「オーストラリアは国益において譲歩しない」とする姿勢を示した。

8日、インドネシアのバリ島で開幕した20カ国・地域(G20)会合の合間に中豪外相会談が行われた。近年、両国の緊張関係が続いていることを背景に、豪州のぺニー・ウォン外相は会談を「関係安定化のための第一歩」と評価した。

中国の王毅外相は、摩擦の「根本的な原因」は、モリソン前政権が中国を「敵」または「脅威」とみなしていたことだと述べ、対応を改めるよう促した。

具体的には「中国を敵対国ではなくパートナーとして扱うこと」、米国を念頭に「第三者の言いなりにならないこと」、「(両国の)共通点を見出すこと」、「現実的な社会的基盤の構築と国民の支持の獲得に専念すること」など4条件を提示した。

ウォン豪外相は8日の会談の開会挨拶で、中国外相に対し「オーストラリアの政権が変わっても、国益を守ろうとする我々の政策は変わらない」と述べた。

モリソン前政権の「中国を敵対国、ひいては脅威とみなす」ことが中豪関係を悪化させたとする王外相の主張に対し、モリソン前政権で貿易・観光・投資相を務めたダン・テハン(Dan Tehan)氏は「現政権でもこの政策は継続していく」と述べた。

11日、豪スカイニュースの取材に応じたテハン氏は、「オーストラリアは北京の要求を拒否し、国益にかなうことを続けるべきだ」と訴えた。

さらに、「我々は自国の主権が侵害されない範囲内で建設的な関与を望んでいる」とし、「オーストラリアの立場は明確で変わっていない。変わったのは中国のほうだ」と同氏は付け加えた。

(翻訳編集・李凌)

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