在豪中国大使の演説中、抗議頻発 何度も中断

2022/06/27
更新: 2022/06/27

在オーストラリア中国大使は演説中、人権団体や抗議者らから激しい抗議に遭い、演説が何度も中断される事態が起きた。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)24日付が報じた。

豪シドニー工科大学の豪中関係研究所(ACRI)でこのほど行われた在オーストラリア中国大使の肖千氏の演説は、2、3分おきに抗議に遭い、何度も中断される事態となった。

主催側が中国大使を紹介した後、豪州のウイグル族、チベット族、香港人で構成された組織「民主連盟」の責任者であるDrew Pavlou氏は、もう一人の抗議者とともにステージに近づき抗議を行った。

「強制収容所を建て、大量虐殺を行う政府とビジネスしないでほしい。いかなるオーストラリアの大学も、ウイグル人、チベット人、香港人、法輪功学習者など信仰を持つ人々に対して恐ろしい犯罪を犯している独裁国家の代表者に、その犯罪を弁明するためのプロパガンダの場を提供すべきではない」などと大声で非難した。

Pavlou氏は「抗議者たちは中国大使に直接質問する機会を与えられていない。中国政府の犯罪の弁明をさせないためにも、彼の演説を阻止するしかなかった」と動機を説明した。

抗議者らは抗議後、会場から追い出された。Pavlou氏は「オーストラリアの大学の歴史の中で最も恥ずべき一日だ」と憤慨した。

シドニーの大学教授2人も抗議の声を上げた。

豪ABCの報道によると、ACRIのジェームズ・ローレンスソン(James Laurenceson)所長は中国大使に対し、「拘束されたオーストラリア人は今どうしているのか」「力になってくれるのか」と尋ねたが、大使は答えなかったという。

豪ローウィ研究所の2022年の世論調査によると、中国を肯定的に見ているオーストラリア人はわずか10%程度だという。4年前と比べて40ポイントも減少している。

同研究所のマイケル・フュリラブ(Michael Fullilove)所長は、「北京の強硬な外交政策が、オーストラリア人の中国に対する認識を変えた。中国はオーストラリアに軍事的脅威をもたらしていると考えている豪国民も多い」と指摘した。

(翻訳編集・李凌)

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