中華人民共和国が公表した公式地図の最新版は、台湾の自治権、南シナ海の大部分、及び他の地域の紛争地域に対する北京の主張を巡って、米国、インド太平洋の同盟国及びパートナーから強い非難を招いた。2017年4月21日に撮影された南シナ海スプラトリー諸島のサンゴ礁(TED ALJIBE/AFP/Getty Images)

米国務長官、中国が攻撃すればフィリピンを防衛 中国を牽制

ブリンケン米国務長官は12日、南シナ海における中国の主権主張を退けた国際裁定から6年を迎えたことを受け、同盟国であるフィリピンが中国から攻撃を受けた場合、米国はフィリピンを防衛すると表明した。

ブリンケン氏はマニラの米大使館が発表した声明のなかで、1951年の米比相互防衛条約に基づき「南シナ海でフィリピンの軍隊、公船、航空機を武力攻撃すれば、米国の相互防衛義務が発動されることを再確認する」と強調。「国際法上の義務を守り、挑発的な行動をやめるよう再度要求する」と海洋進出を強める中国を牽制した。

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年7月、フィリピン側の提訴を受け、中国が独自に策定した南シナ海のほぼ全域を囲う境界線「九段線」には根拠がないとする判決を下した。これに対し中国は判決を否定し、人工島の建設や軍事力を背景に周辺国を威嚇して、南シナ海の実効支配を強化している。

フィリピンのエンリケ・マナロ外相も同日、声明で仲裁裁判所の「議論の余地のない」判決を、「弱体化させようとする試みを断固として拒否する」と表明した。

南シナ海では、中国のほかにも、ベトナムやマレーシア、台湾、ブルネイが領有権を主張している。6月には南シナ海に中国漁船が100隻を超えて集結したほか、フィリピン側の輸送船を追い回したとしてフィリピン政府は中国に抗議していた。

 

関連記事
豪州戦略政策研究所の最新報告によると、中国共産党(中共)は、世界で人気のアプリを介して、外国人ユーザーのデータを収集し、世界の情報環境に変革をもたらし、海外での宣伝活動の影響力を増しているという。
米空軍は、5千機以上の航空機を擁し、世界最強の空軍戦力を保持している。最新の第五世代戦闘機を含むこの圧倒的なア […]
米国防総省は3月12日、台湾向け「スカイガーディアン」無人機4機の製造を目的とした契約が、ジェネラル・アトミックスと締結されたと発表した。
3月9日、米空軍は「F-35Aステルス戦闘機が、B61-12戦術核弾頭の搭載が可能な認証を受けた」と発表。同機は世界初の核弾頭を搭載できるステルス戦闘機となった。
米国の第五世代戦闘機であるF-35「ライトニングII」は、先進的なステルス技術を先端的で機動性の高い超音速戦闘機に統合し、パイロットに前例のない状況認識能力と比類なき殺傷能力および生存能力を提供している。海軍のパイロットは、F-35戦闘機は映画『トップガン:マーヴェリック』を退屈なものにしてしまうと述べている。