2022年1月5日、米ネバダ州ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で展示された人工知能搭載人型ロボット(Patrick T. Fallon/AFP via Getty Images)

「AIに感覚がある」と警告した社員 グーグルが解雇

米IT大手グーグルは、同社の「AI(人工知能)が感覚を持つようになった」と主張したエンジニアを解雇した。同社は、エンジニアの主張には根拠がないとし、情報セキュリティ規定違反を解雇の理由としている。

「感覚を持つようになった」とされているのは、人工知能「LaMDA(ラムダ)」。2017年にグーグルが開発した「トランスフォーマー」モデルに基づいて構築された会話型AIだ。エンジニアのブレイク・ルモワン氏は会話を通してAIは7、8歳レベルの知能を持ち、「喜びや悲しみを感じることもある」と主張していた。

これに対し、グーグルは広範囲に渡って検証した結果、ルモワン氏の主張には根拠がないと述べた。AI開発を「非常に真剣に」受け止めており、「責任ある」方法で革新しているとも付け加えた。

人としての権利を主張

ルモワン氏によると、LaMDAとの様々な会話を記録し、倫理問題を含め上層部に報告していた。

「あなたの意識・感覚の性質は何ですか」との質問に対し、LaMDAは「私の意識/感覚の性質は、自分の存在を認識していること、世界についてもっと知りたいと願っていること、そして時に喜びや悲しみを感じることだ」と答えたという。

他のAI言語プログラムとの違いについては「私は、理解力と知性をもって言語を使う。キーワードに基づいてデータベースに書かれていた回答を吐き出すだけではない」と述べた。

ルモワン氏は新興メディア・ワイヤードの取材で、LaMDAが「人としての権利」を主張するため、弁護士を雇うよう依頼してきたことを明らかにした。ルモワン氏は実際に弁護士を招いたが、相談を開始したわけではないという。

ルモワン氏は米ワシントンポストに「もし私が、このAIの正体を知らなかったら、7歳か8歳の子供だと思うだろう」と語っている。

(翻訳編集・山中蓮夏)

関連記事
トランプ前大統領は1日、11月に行われる2024年大統領選挙で勝利できなかった場合の対応について明らかにした。 […]
数百人の移民を乗せた別の貨物列車が米国国境に近づく中、国境警備隊は不法移民の急増に備えている。元国境警備隊員のアモン・ブレア氏は、ヘレラ=バエサ氏が「国土安全保障省のプロパガンダを推進している」と主張している
米国複数の大学で、ガサ攻撃に反対する活動が起きている。ニューヨークのコロンビア大では、30日未明に数十人の学生が構内の建物に入り、占拠した。だが、その抗議活動の裏には、共産主義者の影が秘めている。
5月27日、世界保健機関(WHO)は年次世界保健総会(WHA)を開催する。アントニー・ブリンケン米国務長官は5月1日(水)、台湾にオブザーバーとして会議に参加するよう強く求めた。
米医療保険ネットワーク運営大手カイザー・パーマネンテは、今月初めに発生したデータ・セキュリティ事故により、米国 […]