大規模通信障害で買い物もできない トロント在住の筆者が考える対策の重要性
7月、日本とカナダはともに大規模通信障害に見舞われた。職場や社会生活においてインターネットへの依存度がますます高まるなか、通信のトラブルがもたらすリスクも無視できないものとなっている。筆者が住むカナダで7月8日に発生した通信障害では、通信・通話サービスが利用できなくなったほか、銀行や政府機関、カード決済サービスも一部機能不全に陥り、1,000万人以上が影響を受けた。原因となった大手通信事業者「Rogers(ロジャーズ)」は利用者に謝罪、信用回復に努めると発表した。
***
今となっては、Rogersで何が起きても、丸一日インターネットも携帯電話も使えなかった恐ろしい記憶がよみがえってくる。長年Rogersを愛用してきた私としては、あの日はまるで世界の終わりのようだった。リモートワークするのにインターネットが使えないだけだったらまだましだ。最悪なことに、通信が途絶えたため緊急通報もできず、家族や友人にも連絡できなくなり、更にクレジットカードでの買い物すら空頼みになった。大都会に身を置きながら、まるで絶海の孤島にいるように感じた。トロントに居るのに、全世界から隔離されたような感覚は、どこか奇妙で、しかし人を不安に陥れるものだった。
関連記事
かつて世界が推進した「ネットゼロ」政策は、欧州の電力不足やエネルギー危機を機に見直しを迫られている。本記事では専門家の指摘やテック企業の方針転換を交え、極端な気候変動対策と現実の乖離を浮き彫りにする
世界の注目を集める米国の債務問題。しかし真の火種は、隠れた巨額債務と成長力欠如を抱える「ユーロ圏」にあるかもしれない。中央銀行の買い支えも限界を迎えるなか、次の国家信用危機の震源地となるリスクに迫る
原爆投下から81年。米国の決断は「悪魔の所業」だったのか、本土決戦を回避し無数の命を救う苦渋の選択だったのか。当時の軍事的・地政学的背景を再検証し、現代の独裁政権による核の脅威と兵器の本質に迫る
中国国営メディアが生誕100年で称賛する江沢民元党首。しかしその裏には、天安門事件での台頭、法輪功迫害や「厳打」運動、形骸化したWTO公約など、隠蔽された弾圧と強権統治の冷酷な歴史的事実が存在する
WHOと世界銀行によるパンデミック対策計画に対し、投資の算出根拠や資金配分の優先順位を検証した寄稿記事。著者は、既存の公衆衛生への影響や国際機関の説明責任を指摘し、政策決定のあり方に疑義を呈している