ソーシャルメディアによって、より多くの興味をかきたてられますが、孤独や不安感感も急速に高まります。(Shutterstock)

今すぐスマホ依存を治しませんか?うつ病などの健康被害があります

現代社会ではインターネットの発達に伴い、コミュニケーションのための電子ツールへの依存度が高まり、SNSの利用が人々の生活の一部になっています。 しかしインターネットはスピードと利便性をもたらす一方で、不安や憂鬱といったネガティブな感情ももたらします。

英国バース大学の研究によると、1週間ソーシャルメディアの利用を停止した人は、うつ病や不安感が大幅に改善されたことがわかりました。 この研究成果は、今年5月10日に米国の学術誌『Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking』に発表されました。

オーストラリアでの先行研究によると、出会い系アプリを利用しない被験者は、利用する被験者に比べて、不安や抑うつ、フラストレーションの経験が少ないことが分かっています。

メンタルヘルスサイト「HelpGuide」に「ソーシャルメディアとメンタルヘルス」と題する記事が掲載されました。 記事によると、自尊心の低下、欠落への恐れ、孤立、うつや不安、ネットいじめ、自意識過剰になることなどが、ソーシャルメディアの主な危険性であるとしています。 

インターネット上で人々の「色とりどり」の人生を見ると、本物ではないことを忘れて嫉妬や憤りを感じることがあります。実生活には暗い部分と明るい部分があり、「あの人は私より優れている」という無意識な嫉妬や比較は、自尊心の低下、うつ、不安の主因となります。

FOMO(インターネットやSNS上で他人や情報と常につながっていないと、自分だけ取り残されてしまうのではないか、と不安を覚える症状のこと)の人は、常に何かを見逃すことを恐れているので、時間や場面に関係なく、スマホをスワイプし続けるのです。 ソーシャルメディアにまつわる問題を意識しながらも、どうにもならない人が多いのです。

フェイスブックの元幹部であるショーン・パーカー氏は、ソーシャルメディアは「ユーザーの時間と注意をいかに多く消費するか」という発想で開発されたと述べています。 デザイナーは、人間のコミュニケーション欲求を利用して、人と人とのつながりを常に感じられるようなソフトウェアを作り、そのディテールを使ってユーザーを誘導し、使い続けさせることで使用習慣を身に付けさせています。

例えば、「いいね!」をもらうと、脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるドーパミンが分泌され、それが刺激となってさらに投稿や閲覧をするようになります。 この「誘導技術」こそが、ソーシャルメディアを捨てがたい、そして楽しいものにしているのです。

しかし、ソーシャルメディアのプラットフォームを離れても、自分の生活の中で起こっている現実に向き合わなければなりません。

東京大学の神経学者である鄭傑氏は、Epoch Timesの取材に対し、「ビル建設が進み古い町並みが崩され、若い頃の社会的交流が以前の世代に比べてはるかに少なくなっている」と述べています。

鄭傑氏は「スマホ依存症候群」を打破することを提案しています。

合理的な制限を設け、ソーシャルメディアが活動、睡眠、食事、学校教育の妨げにならないようにする方法、例えば、自分に自信や勇気を持つこと。 自分と他人を比較しないこと。 自分に対して、過大評価をしすぎたり、劣等感を持ったりしないこと。悩みがあったときは、 家族や友人に相談すること。これらを子供に話すことを推奨しています。

また、ソーシャルメディアの利用を減らし、若い人たちが友人と顔を合わせて交流しコミュニケーションをとることで、幸福感が増し、不安やうつ病のリスクも低くなると強調しました。 特に、社会不安障害に陥りやすい若年層には重要なことです。

台湾の董基金会メンタルヘルスセンターの葉雅信所長によると、ほとんどの人は朝起きてから夜寝るまで常にスマートフォンを使用しており、あまりにも長い時間を過ごすと日常生活や心身の健康に影響が出るとのことです。アラームを設定し、初めは30分から、徐々に短縮させ使用時間を減らすのを推奨しています。また、自由時間をどう使うのかをあらかじめ決めておくことも必要だと言っています。 

(翻訳編集:井田千景)

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