北京市内の中国工商銀行支店(Teh Eng Koon/AFP/Getty Images)

中国深圳でも取付け騒ぎ 流動性の危機との指摘も

銀行取付け騒ぎの波は深圳市にも及んでいる。同市の複数の銀行がこのほど、顧客の預金を凍結した。一部の金融学者は、「資金流動性の危機が迫っているのではないか」と懸念している。

中国経済紙「第一財経」11日付によると、中国銀行の一部の預金者は決済サービスで人気のWeChat(微信、ウィーチャット)や「アリペイ」で現金の引き出しや振り込みができなくなった。

中国銀行のほか、建設銀行、工商銀行、中国郵政儲蓄銀行など多くの銀行でも確認されており、一部の銀行の支店では、預金凍結の解除を求め預金者らが長い行列をつくっている。

深セン市民の張海さんは、2カ月前に銀行口座の異常に気付いた。銀行カードが制限され、オンラインの取引では使えなかった。問題は今も解決していない。

張さんは、「ATMに銀行カードを差し込むと、『凍結されている』と表示されるので、銀行の窓口で入出金の手続きを行うしかない」と米メディアのラジオ・フリー・アジア(RFA)に不満を訴えた。

未完成物件の購入者による住宅ローン支払い拒否の波の影響が広がる中、一部の専門家は、「資金繰りの悪化に直面した銀行が預金者のお金に目を付けたのではないか」と指摘している。

銀行取付け騒ぎは4月に河南省の地銀に始まり、先月には北京市、山東省、海南などの銀行にも広がっている。

7月10日、中国河南省中心都市の鄭州市では、預金者3000人ほどが中国人民銀行鄭州支店前で抗議活動を行なった。

(翻訳編集・李凌)

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