中国の李克強首相は深セン市・蓮花山公園の鄧小平銅像に献花した。(スクリーンショット)

「改革開放を前進させる」 中国当局、李首相の深セン視察映像を検閲

中国の李克強首相は16と17日の日程で、南部広東省深セン市を視察した際、「改革開放を固く推進しなければならない」と強調した。SNS微信(ウィーチャット)では同動画が一時話題となったが、その後ネット検閲当局によって削除された。

動画によると、李首相は深セン市の蓮花山公園を訪れ、公園内の鄧小平の銅像に献花した。首相は公園内で何人かの市民と交流し、「改革開放は皆さんの生活と幸せに緊密に関係する」と語り、鄧小平の銅像を指差し「ご覧ください、銅像がここにある」と話した。

首相は「国際情勢がどう変化するか、あるいはどんな複雑な状況が現れるかに関わらず、改革開放を必ず前進させる」とした。

改革開放は、中国共産党が1978年に元最高指導者・鄧小平の主導の下で開始した経済政策である。鄧小平政権は文化大革命などで大打撃を受けた国内経済を立て直すため、市場経済体制への移行を試みた。

別の動画では、李首相は深セン市の塩田港を視察した際、「黄河や長江で水の逆流は絶対あり得ないように、また塩田港の水が絶えず流れているように、中国は改革開放を推進し続ける」と幹部らに向けて強い意志を見せた。

中国SNS上では現在、李首相の発言に関する動画を見ることはできない。国内検索エンジン「百度」の検索結果では、中国政府機関の1つ、退役軍人事務部が唯一、国営中央テレビ(CCTV)の報道映像を転載していたことがわかった。CCTVが公開した映像の中で、李首相の実際の発言は大幅に改変されている。

米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、李首相の映像は17日夜、国内微信上で一時拡散されたが、その後すべて削除された。

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