2022年6月21日、ワシントン州シアトルで撮影されたファイザー社のワクチンのバイアル (David Ryder/Getty Images)

英医師、ワクチンの一時停止呼びかける 「潜在的なリスクの分析を」

新型コロナウイルスのワクチンを推進してきた英国の心臓専門医のアシーム・マルホートラ博士は一転、世界中の保健当局に対して、ファイザー社とモデルナ社のワクチン接種を一時停止するよう呼びかけている。

マルホートラ氏はエポックタイムズに対して、「ワクチンを一時停止するには十分すぎるほどの証拠がある」と断じた。心筋炎などワクチン接種後に重篤な副反応が確認されているとし、異なる年齢層に対するワクチンのメリットと潜在的なリスクを第三者機関が分析する必要があると述べた。

マルホートラ氏は26日に発表した論文の中で、ワクチンを一時停止する理由として、最近行われたファイザー社とモデルナ社の臨床試験データの二次解析を挙げた。8月31日付でVaccine誌に掲載された解析結果によると、ワクチン接種を受けた試験参加者は、重篤な有害事象のリスクが高いと結論づけている。

マルホートラ氏の論文は、査読を経て、Journal of Insulin Resistance誌に2回に分けて掲載されている。

エポックタイムズは、モデルナ社およびファイザー社にコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。

 

ワクチン推進派から慎重派へ

マルホートラ氏は以前、ワクチン推進派として英国のテレビ番組に出演し接種を呼びかけていた。自身も2021年1月にファイザーワクチンの接種を受けている。

しかし、父親のカイラシュ・チャンド博士がファイザーワクチンを接種した約半年後に自宅で心停止となり死亡したこときっかけに、ワクチンのデータを調べ始めたという。

死体解剖では、主要な動脈のうち2本がひどく閉塞していた。マルホートラ氏によれば、チャンド氏は健康面に問題はなく、心臓にも疾患を抱えていなかった。

「医学と科学には常に不確実性を持ってアプローチしてきた。物事は常に変化しているからだ。当時私が持っていた情報は今ある情報とは全く違う」とマルホートラ氏はいう。「そして実際、情報が変わった以上、その情報に基づいて行動することが私の義務であり責任なのだ」

 

批判への対応

マルホートラ氏は、自身の論文が掲載されたJournal of Insulin Resistance誌の理事を務めていることから、論文に異論を呈する人たちから疑問の声も上がっている。

こうした批判に対してマルホートラ氏は、論文は独立した査読プロセスを経ており、同誌とは金銭的なつながりはないと主張。British Medical JournalやJournal of the American Medical Associationにも自身の論文が掲載されているとし、その出版履歴を確認するよう求めた。

また、Journal of Insulin Resistance誌に論文を投稿することを選んだ理由として「製薬業界からお金を受け取らない数少ないジャーナルの1つ」であることを挙げた。「誰にでも知的バイアスはあるが、私に金銭的なバイアスがないことは確かだ」

 

科学者らも論文を支持

マルホートラ氏の論文は、主要な科学者たちから支持を得ている。

国際血管外科学会会長のシェリフ・スルタン氏は声明の中で、「ワクチン開発は医学における偉大な業績の一つ」だとしつつ「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、長期的な安全性評価が欠けている」と指摘した。

また、マルホートラ氏の論文は「ワクチンによる重篤な心血管副反応に関する懸念を提起し、ワクチンと若年者の予期せぬ心停止の原因となることが多い心筋炎との間に確立された因果関係を浮き彫りにした」 と述べた。

スタンフォード大学の医学教授ジェイ・バッタチャリア博士は、マルホートラ氏の論文は「ワクチンの効果と副反応には、年齢層や他の併存疾患によってかなりの不均質性があることをうまく説明している」「高齢者にはリスクよりメリットが上回るケースもあるかもしれないが、若年層に対してはそうでない場合があることを発見した」と評価した。

一方でイギリス国家統計局は3月、ワクチン接種後の心臓疾患リスクについて論文を発表した。その中で「分析したサブグループ(12歳から17歳、18歳から24歳、25歳から29歳、男性、女性)のいずれにおいても、また受けたワクチンの用量や種類によっても、心臓関連の死亡やあらゆる原因による死亡のリスクに変化があったという証拠はなかった」と結論付けている。

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