アメリカ疾病対策センター(CDC)は1月5日、トランプ大統領の指示を受け、子供に一律推奨するワクチンの数を14種類から8種類に絞り込むと発表した。
トランプ氏は2025年12月、ケネディ・ジュニア保健福祉長官とジム・オニールCDC長官代行に対し、アメリカおよび諸外国のワクチン接種スケジュールを検証し、アメリカの制度を見直すべきかどうかを判断するよう指示した。デンマークを含む3か国を挙げ、これらの国では推奨ワクチンの種類や接種回数がアメリカより少ないと指摘していた。
ケネディ氏は声明で「トランプ大統領は、他の先進国がどのように子供を守っているのかを精査し、彼らの方がより良い取り組みをしているのであれば行動を起こすよう指示した」と述べた。
さらに「膨大な証拠を徹底的に検証した結果、アメリカの小児ワクチン接種スケジュールを国際的なコンセンサスに沿った形に見直すとともに、透明性とインフォームド・コンセントを強化する。今回の決定は子供を守り、家族を尊重し、公衆衛生への信頼を回復するものである」とした。
CDCは今後、インフルエンザ、ロタウイルス、A型肝炎、髄膜炎菌感染症については、子供への一律の接種推奨を取りやめる。CDCはすでに2025年、ケネディ氏が選任した助言者の勧告を踏まえ、B型肝炎と新型コロナウイルスのワクチンについて推奨を縮小している。一方、母親がRSウイルスワクチンを接種していない子供については、抗体製剤を投与する受動免疫を受けるべきだとする勧告を維持する。
今回の変更は、食品医薬品局(FDA)医薬品評価研究センターのトレーシー・ベス・ホーグ所長代行と、2025年にケネディ氏が任命したマーティン・カルドーフ上級顧問が勧告した。両氏は34ページに及ぶ評価書の中で、公衆衛生への信頼低下、接種率の低下、一部の推奨ワクチンの効果が限定的であるとの証拠を理由に、見直しの必要性を指摘した。
CDCの幹部は1月5日の記者会見で、同庁がデンマーク、ドイツ、日本の当局者や、CDCおよびFDAのワクチン研究者と協議したことを明らかにした。一方で、ワクチン製造会社には意見を求めていないという。
トランプ政権は、今回の更新によって子供がワクチンを受けられなくなることはなく、医療保険会社も引き続き、医療費負担適正化法(ACA)に基づき自己負担なしでの補償を続けるとしている。
CDCは、ウイルス検査で陽性となった母親から生まれた子供へのB型肝炎ワクチンなど、特定の集団については引き続き接種を推奨する。その他のワクチンについては、医師と保護者による共同の判断を重視し、感染リスクなどを考慮した上で接種の是非を判断するよう求める。
一方、CDCは、ジフテリア、破傷風、百日せき、インフルエンザ菌b型、肺炎球菌、ポリオ、はしか、おたふくかぜ、風疹、水ぼうそう(帯状疱疹ウイルス)、ヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンについては、引き続き一律の推奨を維持する。
新しいスケジュールでは、HPVワクチンの推奨接種回数を、最近の研究で1回でも十分な効果があると示されたことを踏まえ、2回から1回に減らす。
保健福祉省の幹部は記者会見で「重要なワクチンは、今後も子供たちに推奨され続ける」と強調した。
一方で、カリフォルニア州の小児科医ジョエル・ウォーシュ医師は電子メールで「この変更は大きな反発を招くだろうが、それは避けられなかった。普遍的な推奨を減らすことは、ワクチンを禁止したり危険だと宣言したりすることではない。すべてのワクチンがすべての子供にとって同じリスクと利益を持つわけではないことを、CDCがようやく認めたということだ」と述べた。
これに対し、アメリカ小児科学会は変更に反対を表明した。
ワクチン企業と提携する同学会のアンドリュー・ラシーン会長は声明で「保護者や小児科医、国民が明確な指針と正確な情報を求めている時期に、今回の軽率な決定はさらなる混乱と不安を招き、予防接種への信頼を損なうだろう。これは国をより健康にするやり方ではない」と批判した。
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