下院外交委員会の共和党トップを務めるマイケル・マッコール議員。2022年4月28日撮影 (Chip Somodevilla/Getty Images)

中国の重要鉱物に強制労働の疑い…米議員、税関に審査方法を問う

中国から輸入する重要鉱物が、強制労働に関わる産品の輸入を禁じる「ウイグル強制労働防止法」に違反している可能性が高いとして、米上院議員は審査方法などを問う書簡を米国税関・国境警備局(CBP)に送った。

書簡は、下院外交委員会の共和党トップを務めるマイケル・マッコール議員と、情報・テロ対策に関する国土安全保障小委員会で上級委員を務めるオーガスト・プルーガー議員が9月29日付で提出した。

重要鉱物産業の中国企業が新疆ウイグル自治区で強制労働に関わっているとニューヨーク・タイムズなどが最近報じている。両氏は記事を引用して、強制労働に関わる製品の米国輸入を防ぐためにどのような審査を行っているのか、また議会からはどのような情報を必要としているのかをCBPに問うた。10月15日までの返答を求めている。

電気自動車(EV)や工業用電機機器などの普及にともない、鉱物資源であるレアアースの需要は増加している。中国は世界の加工済みレアアースの85種以上を生産するなど、レアアース市場をほぼ独占している。米地質調査所(USGS)によれば、2017年〜2020年に輸入されたレアアース化合物および金属の78%を中国が占めているという。

しかし、こうした中国のレアアース市場の独占は「不公正な貿易慣行、環境基準への最小限の配慮、中国の重要鉱物企業への巨額の国家財政支援、強制労働」によってもたらされたと、議員らは指摘する。

「新疆ウイグル自治区産のポリシリコンや綿花は強制労働の代名詞になっている。しかし、最近の報道と重要鉱物のサプライチェーンの追跡が極めて困難であることを踏まえると、重要鉱物製品の輸入もウイグル強制労働防止法に違反している可能性が高い」

バイデン米大統領は昨年末、強制労働を理由に中国新疆ウイグル自治区からの輸入を全面的に禁止する「ウイグル強制労働防止法案」に署名、今年6月に施行された。いっぽうで、強制労働で生産された製品が依然として米国市場に出回っているとして、各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」は輸入制限を強力に執行するよう求めている。

(翻訳編集・山中蓮夏)

関連記事
  バイデン政権が推進する学生ローンの免除に続き、進歩派議員らは、5月8日に提出した新法案を通じて、 […]
元第8空軍司令官のE・G・バック・シューラー氏は、「Defense post」に掲載された最近の記事で、米国の自動車メーカーにガソリン車の販売を中止させ、電気自動車(EV)への切り替えを強制することを目的としたEPAの新しい排ガス規制は、米国を中国の言いなりにするだろう」と警告した。
有名なボクシングプロモーターであるドン・キングは、2024年の大統領選挙でドナルド・トランプ前大統領を支持している。トランプ前大統領は、大統領選挙キャンペーンを頓挫させる恐れのある一連の裁判に直面している。5月8日、92歳のキング氏はあるイベントで、トランプ前大統領に何か言うことはないかと尋ねられた。
2023年11月以来、共和党が支配する下院委員会は、1月6日に連邦議会議事堂で撮影された20,000時間以上の監視ビデオを公開し、今はなき1月6日特別委員会が長い間非公開にしてきた詳細を埋め始めた。
全50州といくつかの準州の知事が、州兵を米宇宙軍に移動させるという国防省の計画に反対しており、別の知事は月曜日に、この計画は「権力の奪取」だと主張した。