岸田文雄首相 (Photo by KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images)

政府、米安保戦略を「高く評価」 日本の防衛政策と「方向性は一致」

バイデン政権が発表した「国家安全保障戦略」について、政府は13日、日米安保条約に基づく日本防衛への揺るぎない決意を再確認したとし、高く評価した。年末にかけて策定する日本の国家安全保障戦略への影響については、「方向性は一致している」との考えを示した。

国家安全保障戦略ではインド太平洋地域を「21世紀の地政学的中心」と呼び、自由で開かれたインド太平洋の推進を掲げた。中国は「国際秩序を変える意思と、それを裏付ける経済力、外交力、軍事力、技術力」を兼ね備えた唯一の競争相手であり、「最も深刻な地政学的挑戦だ」と指摘した。

日本については、日米安全保障条約に基づく「日本防衛への揺るぎないコミットメントを再確認」するとともに、「条約の適用範囲には尖閣諸島も含まれる」と直接言及した。

松野官房長官は13日の会見で、米国の決意を「高く評価する」と述べた。新たに策定する日本の国家安全保障戦略への影響については「日米間では日頃から戦略や政策をすり合わせるために緊密に連携してきており、その方向性は一致している」との考えを示した。

バイデン政権が安全保障戦略をまとめるのは初めて。前回はトランプ政権下の2017年12月で、実に5年ぶりとなった。今年初めに公表すると予想されたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて延期した。

関連記事
昨今の日本の環境教育は、もはや教育の名に値しない「環境運動」と化している。エネルギー政策の専門家である杉山大志氏は、「今の環境教育は、ただCO2を減らせと子供たちに叫ぶだけの洗脳だ」と手厳しい評価を下した。
5月上旬に中国・福建省の共産党トップが沖縄訪問する。自由主義対共産主義の「新冷戦」が進むなか、沖縄をめぐる熾烈な争いが、水面下で進んでいる。
4月24日、米宇宙コマンド司令官スティーブン・ホワイティング大将が日本を訪れ、中国の宇宙軍事力の異常な増強に対して警告を発した。ホワイティング司令官は木原防衛相、統合幕僚監部議長、航空自衛隊長や航空宇宙事業本部長等の要人と対話し、宇宙領域における日米同盟のさらなる強化に向けた協力を確認した。
鬼木誠防衛副大臣は29日、フィリピンを訪問し、同国のテオドロ国防相と会談した。日本がフィリピンに供与する移動式警戒管制レーダー2基目の引き渡し式典にも出席した。東アジア地域における中国共産党の拡張に対して連携して抑止を図る。
内閣府への提出資料に中国国営企業のロゴが入っていた問題は、国会とネット世論をどよめかせた。「中国共産党の浸透だ」とする論調に対し、有識者はむしろ「『使える愚か者(Useful ideot)』が日本の政策決定に関わっていることこそ問題だ」と指摘する。