台湾立法院(議会)で発言する邱国正国防部長(左)と蘇貞昌行政院長(右)(林仕傑/大紀元)

台湾有事に「勝算」あり 台湾国防部長、軍への信頼示す

台湾国防部(国防省)の邱国正部長は1日、立法院(議会)で「もし本当に台湾有事が発生したら、台湾に勝ち目はあるのか」との質問に対し、「勝算は必ずある」と強調した。

邱国正氏は蘇貞昌行政院長(首相)の施政方針演説に同席し、防衛関連の質問に答えた。中国共産党の圧力が高まるなか、戦争への備えを確実に行い、計画通り軍隊の育成に取り組むと述べた。「備えは防衛のためであり、こちらから仕掛けることはない」との姿勢を示した。

「もし台湾有事が本当に起こったら、台湾の勝算はどれほどあるのか」との質問に対しては、「どの国も戦争の結末を予測できないからこそ、常に抜かりなく準備をしているのだ」と述べ、台湾軍の能力に自信を示した。

台湾防衛については、敵軍の上陸を阻止し、政府省庁の建物が占領されなければ負けとはいえないと指摘。「台湾に勝算は必ずある」と述べた。その上で、戦争を仕掛けるかどうかの判断は中国共産党次第であり、台湾は決して相手を挑発することはないとの考えを示した。

邱国正氏は、他国の援助は快く受け入れるが、自力で防衛する姿勢に変わりはないと強調した。

習近平国家主席は第20回中国共産党大会において武力による台湾「統一」を放棄しないと強調した。いっぽう、各国議員は立て続けに台湾を訪問し、台湾への支持を国際社会に表明している。

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