インドネシアで開かれたG20 サミットで談笑するバイデン米大統領 (Photo by Dita Alangkara / POOL / AFP) (Photo by DITA ALANGKARA/POOL/AFP via Getty Images)

バイデン氏、気候変動と女性参画を促す基金を設立 アマゾンも出資

米国のバイデン大統領は、11月11日にエジプトで開催された国連気候変動会議COP27で、気候変動問題への女性の参加を促進することを目的に、数百万ドル規模の「気候変動ジェンダー平等基金」を設立することを発表した。

最初の設立資金として600万ドルを用意し、米国国際開発庁(USAID)とアマゾンがそれぞれ半分ずつを拠出する。ホワイトハウスの発表によると、女性が気候変動対策の規模拡大と開発を行う場合に必要とされる資本、ネットワーク、技術スキルの確保にあたり、民間部門の貢献を活用することを目的としている。

アマゾンのワールドワイド・サステナビリティ担当副社長であるカーラ・ハースト氏は、声明の中で、「気候変動資金には対処すべき男女間の不平等が存在し、女性起業家はそうした問題のテーブルに『平等な席』を確保しなければならない」と述べている。

「私たちは、USAIDおよびバイデン政権と協力し、女性主導の気候変動対策を世界的に拡大できることを誇りに思っている。これは、2040年までにカーボン・ネットゼロを達成するという、私たちの幅広い気候公約の目標の一部に過ぎない」と述べた。

8月、バイデン大統領は4300億ドルの気候変動対策法案に署名した。この法案では、グリーンエネルギー税の控除と補助金として3860億ドルが計上されている。

反化石燃料のスタンス

バイデン氏の新たな気候変動基金は、化石燃料に対する攻撃を拡大する中で生まれた。11月6日の集会で、気候変動に反対する人たちとのやりとりの後、バイデン大統領は「もう掘削はしない」と発言。自身の政権下で新たな掘削が行われていない事を強調した。

大統領選挙戦で、バイデン氏は化石燃料の排除を約束した。トランプ前大統領との討論会で、バイデン氏は米国を石油からシフトさせると公約した。大統領就任後、バイデン大統領はキーストーン・パイプライン・プロジェクトを中止し、連邦政府の所有地での新たな掘削リースを阻止する大統領令を発布した。

テキサス州石油ガス協会のトッド・ステイプルズ会長は、FOXニュースとのインタビューで、バイデン氏の「掘削禁止」発言は、現政権の化石燃料への敵対心と一致すると指摘した。

「アメリカ人はエネルギーの安全保障を確保するべきだ。連邦政府は石油と天然ガスを負債ではなく、資産のように扱うべき時が来たのだ」と述べた。

ウォール・ストリート・ジャーナルの分析によると、1940年代後半以降の大統領として、バイデン氏は、連邦政府の石油・ガスリースのために用地を提供しなかった大統領のトップに挙げられている。

6月に内務省が発表した石油・ガスリース5か年計画では、2028年末までは新規のリース販売を行わない方針を打ち出した。

(翻訳・大室誠)

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