2021年4月24日、アムネスティ・インターナショナルのポスターを手にする活動家 (Photo by Odd ANDERSEN / AFP) (Photo by ODD ANDERSEN/AFP via Getty Images)

人権団体アムネスティがサイバー被害、「中国政府が関与」と指摘

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのカナダ支部は5日、中国共産党と繋がりのあるとされるハッキング集団からサイバー攻撃を受けたと発表した。

声明によると10月5日、ハッカー集団は特定の持続的標的型攻撃グループ(APT)に関連するツールや技術を使用して、同支部のシステムに侵入した。サイバーセキュリティ専門家らに調査を依頼した結果、標的となった情報の性質や観察されたツールから「中国政府が支援する脅威グループ」による犯行である可能性が高いと結論付けた。

AP通信によれば、ハッカー集団は中国と香港、人権活動家に関する情報を入手しようとしていたという。

アムネスティカナダ支部のケティ・ニビアバンディ事務局長は、人権擁護活動を監視する国家主導の妨害に脅かされることないと強調。「人権侵害がどこで起ころうとも、それに光を当て続け、人権抑圧を目的とした政府によるデジタル監視の利用を糾弾する」と述べた。

現時点では、寄付者や会員のデータが流出した証拠は見つかっていない。

米国のサイバーセキュリティ企業レコーデッド・フューチャーは8月に発表した報告書のなかで、中国共産党の支援を受けているハッカー集団が中国の人権侵害に声を挙げる人道支援団体や報道機関を標的に、サイバースパイ活動を続けていると指摘した。特にウイグル法輪功、香港、台湾に関連する組織や活動が主な対象となっているという。

中国ほか独裁体制国家はサイバー技術を通じて政治的目的を達成する攻撃を行なっている。マイクロソフトが先月発表した報告書によれば、米国が東南アジアや南太平洋諸国との会合に合わせ、中国は関係組織にサイバー攻撃を行った。

報告は、中国は対象組織の脆弱性を発見した際、政府に報告することを義務付ける法律が施行しており、情報収集活動は増加していると指摘した。

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