2021年、米議会公聴会に出席した大手暗号資産取引所FTXの最高経営責任者サム・バンクマン・フリード氏(当時)(Photo by Alex Wong/Getty Images)

FTX前CEO、バハマで逮捕 米検察の要請で 米議会証言の前日

世界最大の仮想通貨取引所の1つだったFTXの創設者で前最高経営責任者(CEO)のサムバンクマン・フリード氏は12日、滞在先の中米バハマで逮捕された。米検察当局は、フリード氏のずさんな経営と破綻に至る経緯を調査している。

フリード氏はFTX現CEOのジョン・レイ氏と共に、経営破綻をめぐり米下院、上院公聴会での証言が13日と14日に予定されていた。フリード氏が出席するかどうかは不明だ。

逮捕にあたり、米司法省ニューヨーク州南部地区連邦地検(SDNY)のダミアン・ウィリアムズ検事は「朝には訴状の封印を解く手続きを取り、その際にさらにコメントする」と声明で述べた。

バハマ司法長官事務所もフリード氏の逮捕に関して声明を発表した。「国民の信頼を裏切り、法律を破った可能性のあるFTXに関係するすべての個人に責任を負わせることに、米国とバハマは共通の利益を有している」「バハマはFTXの崩壊に対する独自の規制および犯罪捜査を継続する」と、同国フィリップ・デイビス首相は声明の中で述べた。

FTXは11月11日に破産を申し立てた。投資家による資金の引き出し手続きは72時間で60億ドルにも及び、FTXは資金調達に苦戦していた。FTXの債権者は100万人に上るとされ、資産の多くは回収不能になっているとみられている。

フリード氏は、FTXの資金を知人の経営する暗号取引会社アラメダ・リサーチに違法に流用して失敗、巨額損失をもたらしたとの疑惑が指摘されている。同氏は資金管理の失敗を認めているが「詐欺ではない」と否定している。

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