トランプ米大統領は8月6日、アメリカで子どもを産み、その子に米国籍を取得させることを目的とする「出産ツーリズム」の禁止など、出生地主義に関する2つの大統領令に署名した。
ホワイトハウスは同日、公式SNSを通じて大統領令の概要を発表した。
1つ目は、アメリカ内で生まれても、出生によって米国籍を得られない外国人の子どもの範囲を示すものだ。ホワイトハウスは、過去の司法判断で認められてきた例外に沿った内容だとしている。
2つ目は、国務長官と国土安全保障長官に権限を与え、出産を主な目的としてアメリカを訪れる「出産ツーリズム」を禁止するよう指示する内容となっている。
アメリカでは、憲法修正第14条に基づき、国内で生まれた子どもには原則として米国籍が与えられる。今回の措置は、この出生地主義の適用範囲を限定しようとするものだ。
トランプ氏はホワイトハウスでの署名式で、出生地主義をめぐる連邦最高裁の判断について「非常に残念な判決だった」と述べ、「そのため、方針を調整している」と説明した。
最高裁判決を受け方針を修正
トランプ氏は2025年1月の就任初日にも、両親のいずれもアメリカ市民や永住者でない場合、アメリカ内で生まれた子どもへの市民権付与を制限する大統領令を出していた。
しかし、連邦最高裁は2026年6月30日、憲法修正第14条が保障する出生地主義と矛盾するとして、6対3で、この措置を認めない判断を示した。今回の大統領令は、この最高裁判断を受け、対象や運用方法を見直したものとみられる。
ミラー大統領次席補佐官は、出産ツーリズムについて「数年ではなく、数十年にわたって議論されてきた問題だ」と述べた。
ミラー氏は、一部の外国人が観光客を装ってアメリカを訪れ、子どもに米国籍を取得させる目的で出産した後、帰国していると指摘した。
そのうえで、こうして米国籍を得た子どもは、将来、社会保障制度を利用したり、選挙権を得たりする可能性があると主張した。
一方、出生地主義は米憲法で保障されているため、大統領令によってどこまで制限できるかをめぐり、今後も法廷で争われる可能性がある。
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