イギリスのクレバリー外相は演説で、日本の常任理事国入りを歓迎した (Photo by Toby Melville - WPA Pool/Getty Images)

英外相、日本やドイツの常任理事国入りを歓迎 中共の脅威にも言及

英国のクレバリー外相は12日、外交方針に関する基調演説のなかで、日本やドイツなどが国連安全保障理事会の常任理事国になることを歓迎すると述べた。中国共産党の軍事的脅威に対抗するため、インド太平洋地域への関与を強め、国際秩序を維持する意志を示した。

国連安保理は独裁体制を敷く中国とロシアの影響により機能不全に陥っている。クレバリー氏は「全てが完璧だと信じているわけではない。そして改革の道を塞ぐわけでもない」とした上で、「ブラジル、インド、日本そしてドイツを、アフリカの常任代表と共に常任理事国として迎え入れることを歓迎する」と述べた。

クレバリー氏は日・英・伊の3カ国による次世代戦闘機開発計画にも言及し、NATOやG7といった同盟国、パートナー国との連携の重要性を強調した。

国際政治経済の重心がアジアへと移るなか、インド太平洋地域への関与を強めていく姿勢を示した。軍事的拡張を試みる中国を念頭に、自国の防衛を目的とした同盟結成を非難すべきではないと述べた。

ウクライナ戦争を終結させ平和を取り戻す唯一の方法は、プーチンが軍の撤退を命じることだと指摘。ウクライナが勝利を収めるまで支援すると強調した。

日本は2023年1月から安保理の非常任理事国を務める。国連加盟後、累計で12回非常任理事国に選ばれており、加盟国の中では最多となる。

日本大学国際関係学部の松本佐保教授はボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、ロシアは国際法に違反してウクライナを侵略しており、常任理事国に相応しくないと指摘。日本が戦後進めてきた平和な外交について積極的にアピールし、差別化を図るべきだと述べた。

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