2019年4月10日、米下院金融サービス委員会で証言するJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者 (Mandel Ngan/AFP via Getty Images)

TikTokと米JPモルガンが決済システムで提携…米議員が懸念

米国のマルコ・ルビオ上院議員は11日、米銀大手JPモルガンが中国動画投稿アプリ「TikTok」を運営するバイトダンスと次世代決済システムの開発で提携したことについて「強い懸念」を表明した。実質上中国当局の支配下にあるバイトダンスは、米国人の支払いを「追跡、監視」することを可能にすると指摘した。

米フォーブス6日付によれば、決済システムは「両社の間でリアルタイムにデータを交換できる」ようになっている。中国では国家情報法などに基づき、中国企業は要請に応じて当局にデータを提供することを義務付けていことから、金融情報が事実上中国共産党に支配される可能性が指摘される。

ルビオ氏は、JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)に宛てた書簡で「何百万人もの米国人の個人情報を含む決済システムを開発するためにバイトダンスと提携することで、JPモルガンは貴重品保管室を事実上、中国共産党にも渡してしまったことになる」と非難した。

さらに、「中国共産党のプロパガンダを流布したりウイグル人虐殺を検閲したりしているバイトダンスを『創造性を刺激し、人生を豊かにする使命を担っている』と表現した。JPモルガンが中国政府の手先となって働くことは非常に憂慮すべきことだ」と付け加えた。

TikTokは国家安全保障上の脅威

2005年から同行のCEOを務めるダイモン氏は、米中間の経済関係をさらに深めることに長年専念してきた。

10日の米フォックス・ニュースとのインタビューでは、米国は中国とのビジネス関係を制限すべきではないと強調し「その国(中国)を去ることは、米国の将来にとって良いことはない」と発言した。

ユーザーの位置情報やキー入力の監視や不正アクセスなど、TikTokのセキュリティリスクを理由に、ホワイトハウスや国防総省、国土安全保障省、国務省など多くの連邦政府機関はすでに政府端末でTikTokを利用することを禁じている。米議会下院事務局も先月、下院の電子端末からTikTokを排除するよう全関係者に通達した。

バーンズ米中央情報局(CIA)長官は12月、米公共放送(PSB)とのインタビューで「TikTokの親会社は中国企業であり、中国政府は米国の多くの利用者データを抽出したり、動画の内容を指導部の利益に合うようにしたりできる」と警鐘を鳴らしていた。

エポックタイムズはバイトダンスとJPモルガンにコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。

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アメリカは、中国の短編動画プラットフォームであるTikTokに対し、売却しなければ国内での使用を禁止するという歴史的な法案を成立させた。この動きは、国家安全保障と言論の自由という二つの重要な価値が衝突する象徴的な瞬間である。 「100年以上前から、外国資本の制限は米国の連邦通信政策の中核となっている」と、米国の法律専門家が述べている。
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