タイ軍と米軍が主催する東南アジア最大級の多国間軍事演習「コブラゴールド」が28日に開始された。30カ国から7394人が参加する。写真は2019年12月、バンコクで会見する米インド太平洋軍のアキリーノ司令官(2023年 ロイター/Panu Wongcha-um)

米軍、タイでの合同軍事演習に数千人派遣 30カ国が参加

[ラヨーン(タイ) 28日 ロイター] – タイ軍と米軍が主催する東南アジア最大級の多国間軍事演習「コブラゴールド」が28日に開始された。30カ国から7394人が参加する。

同演習は1982年から実施されている。中国との競争が激化する中、米国にとってアジアでの同盟関係強化に向けた重要な役割を担っている。

米インド太平洋軍のアキリーノ司令官によると、米軍からは合計で約6000人が参加し、過去10年で最大となる。期間は3月10日まで。

同司令官は「自由で開かれたインド太平洋を維持し、全ての国が平和、安定、繁栄を維持できるようにする」ために、いかに協力して対応するかを示すものと重要性を強調した。

米国大使館の声明によると、今年は宇宙防衛に関する訓練も初めて実施する。

コブラゴールドには米国とタイのほか日本、インドネシア、マレーシア、シンガポール、韓国の7カ国が全面参加。

中国、インド、オーストラリアは人道支援活動の訓練に参加している。

関連記事
米比同盟は新たな局面を迎えている。4月22日に開始された「バリカタン」軍事演習は、アメリカとフィリピンの関係が過去最高の状態にあることを示すものだ。中国共産党による南シナ海での挑発的な行動に直面し、フィリピンはアメリカとの協力を強化し、国防力を高めるチャンスを得ている。
アメリカ合衆国インド太平洋軍のジョン・アクイリーノ司令官は、中国共産党が「茹でガエル」戦術を用いてインド太平洋地域での緊張を徐々に高めていると指摘している。
8日、エマニュエル駐日米国大使と山上前駐オーストラリア日本大使が、日米同盟の重要性を力説した。エマニュエル大使は、「新型コロナウイルス感染症」「ロシアのウクライナ侵攻」「中国の威圧的行動」という「3つのC」が世界を変えたと指摘。日米両国がこの2年間で70年来の政策を大きく転換したことに言及し、「日米同盟は新時代を迎えている」と強調した。
ロシアのウクライナ侵攻が続く中、中国とロシアの関係は益々緊密化している。中国共産党がイランや北朝鮮のようにロシアに直接致死性兵器を提供しているという明白は証拠は今のところないものの、欧米は中国共産党による戦時経済支援に対する懸念を強めている。
経済成長が鈍化するなかでも、中国は軍備拡張と近代化のために積極的な投資を続け、自治権を持つ台湾を威圧するグレーゾーン作戦を続けている。 これについて、アクイリノ司令官は「台湾を武力統一するための能力を整えるタイムラインだ」と述べた。