2023年1月20日、ロイド・オースティン米国防長官 (Thomas Lohnes/Getty Images)

米国防長官、中国共産党の脅威は「世代を超えた挑戦」

米国のオースティン国防長官は2日、米軍にあてたメモのなかで、中国共産党政権が国際社会をその権威主義的な要求をもとに従わせようとしていると警告し、阻止する準備をするよう呼びかけた。

オースティン氏は中国共産党の脅威は「世代を超えた挑戦」だと指摘。この挑戦に立ち向かうため、「すべての戦闘領域や紛争範囲にまたがる取り組みを調整し、敵にとって複雑な状況を作り出す統合抑止を採用する必要がある」と述べた。

米国家防衛戦略は、中国共産党を米国の「ペーシングチャレンジ(第一の脅威)」と位置づけ、ルールに基づく国際秩序を再構築する意志と能力を備えた唯一の国であるとしている。

オースティン氏はこうした背景を踏まえ、米軍はインド太平洋における態勢を強化し、同盟国と協力することで南シナ海東シナ海、台湾に対する中国共産党の侵略を抑止する必要があると述べた。

「我々の戦略を実行することは、ロシアのウクライナに対する残酷な戦争が2年目を迎える中で、エスカレーションのリスクを管理しながら、(中国からの)ペーシングチャレンジに取り組むことを意味する」

インド太平洋における中国の野心に対抗するため、米国は2月にフィリピンでの米軍使用基地を増やしたほか、日豪との共同訓練を実施し連携を強化している。

いっぽうで、オースティン氏はこうした活動は当面中国の攻撃を抑止するに留まるとして、今後何年にもわたって米国の戦略を規定し続ける必要があると強調した。

「中国からの脅威が高まるにつれ、我々は台湾関係法に基づき台湾に自衛能力を提供する」「我々のチームは、三元戦略核戦力、宇宙、サイバースペース、長距離射撃、戦闘機や水中戦の次世代能力に大規模な投資を行うとともに、統合全ドメイン指揮統制を加速させている」と述べた。

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