(防衛省提供)

米軍との年次演習「レジリエント・シールド」で作戦能力を磨く海上自衛隊

2023年2月下旬、日本の海上自衛隊と米国海軍の年次演習「レジリエント・シールド」が完了した。 1週間にわたって実施されたこの演習では、弾道ミサイル防衛と、地域の脅威に対抗するための海事戦術、技術、手順のスキルを磨くことに重点が置かれた。

海上自衛隊の艦隊司令官を務める齋藤聡海将は「今回の演習では、弾道ミサイル対策や防空に関するシミュレーション訓練を行い、包括的な防空、ミサイル防衛、米国海軍との相互運用性のための戦術的能力を向上させることができた」 とした上で、 「強固な日米同盟に基づき、米国海軍と海上自衛隊は日頃から緊密に連携し、あらゆる有事に即応できるよう抑止力・対処力の強化に努めている」と述べた。

レジリエント・シールドは、脅威を軽減するために協力する際の習熟度を確認する機会となった。 米国海軍のニュースリリースによると、海上自衛隊と米国海軍とともに、日本の陸上自衛隊、航空自衛隊、米国の陸軍、空軍、海兵隊が「地域の安全保障と安定を支える全領域の強固なミサイル防衛能力」を提供している。

第7艦隊司令官カール・トーマス中将は、「レジリエント・シールドでは、日本のカウンターパートとともに、わが海軍の部隊がコンピュータを使った仮想環境でハイエンドの防衛能力を訓練することができる」 と述べ、 「この演習は、自衛隊との相互交流と、この地域を防衛するための我々の共通の決意を示すものだ」と語った。

米国国務省によると、日米関係は、自由を守り、経済的・社会的な機会と包括性を支え、人権擁護、法の支配の尊重、すべての人を尊厳をもって扱うという共通の価値観に深く根差してきた。

国務省のニュースリリースによると、アントニー・ブリンケン米国国務長官は2023年2月の日本の建国記念日に、「70年以上にわたってインド太平洋の平和と安定の礎となってきた日米同盟の重要性は極めて明らかだ」と述べたという。 さらに、「この同盟は、自由で開かれたインド太平洋と平和で豊かな世界という共通のビジョンに根ざし、法の支配を含む共通の価値観に導かれ、そして何よりも、日米両国民の間の深く変わらぬ友情に根ざしている」と述べた。

2023年1月にホワイトハウスで行われた会談後、岸田文雄首相とジョー・バイデン米国大統領は、北朝鮮による挑発、影響力を強めようとする中国との競争など、増大する課題に直面する中、両国の協力を「前例がない」と表現した。 両国の共同声明は、「揺るぎない二国間関係を基礎として、我々はまた、インド太平洋と世界の利益のために、地域内外の他の国々と協力する」と謳っている。

日本は5万5千人以上の米国軍兵士を受け入れており、これは米国の派遣軍としては最大数である。 国務省によると、空母ロナルド・レーガンやF-35統合打撃戦闘機など、米国軍の最先端のアセットの多くが日本に配備されており、両国の同盟の重要性とインド太平洋の平和と安全を維持するという目標を象徴している。

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