米国のトム・コットン上院議員。2021年10月27日撮影 (Tasos Katopodis-Pool/Getty Images)

米上院議員、中国共産党による臓器狩り禁止法案提出 

米国のトム・コットン上院議員らは9日、生きたまま強制的に臓器を摘出する「臓器狩り」の責任を中国共産党に問う超党派法案を提出した。

臓器強制摘出停止法案は、国務省に臓器狩りに関与した人物のパスポートやビザを拒否または取り消す権限を与える。また、海外での臓器収奪に関する年次報告書を作成するよう政府に義務付け、加担者に制裁を科す。米下院の外交委員会は2月28日、同様の法案を全会一致で可決しており、本会議に提出される予定だ。

コットン氏は声明で「中国共産党が迫害されている宗教団体や良心の囚人、受刑者から臓器を収奪し続けているという証拠が増えている」と指摘。法案はこうした蛮行を阻止するため「中国共産党や関与している個人を特定し責任を追及する」と意義を強調した。

法案を共同提出した民主党のクリス・クーンズ議員も中国共産党は「臓器狩りという残酷で不道徳かつ卑劣な犯罪を犯している」と非難し、超党派でこの問題に立ち向かう姿勢を示した。

2023年03月08日、ワシントンで開催されたCARE国際女性デーディナーでスピーチする民主党のクリス・クーンズ議員 (Paul Morigi/Getty Images for CARE)

2019年にイギリスで行われた独立民衆法廷「中国民衆法廷」は中国本土では、長年にわたり移植手術を目的とした「強制的な臓器摘出が、相当な規模で行われている」と結論を下した。

同法廷によれば、臓器狩りの主な犠牲者は法輪功学習者で、摘出された臓器は国内外の移植希望者に売られ、年間数十億ドルの利益を生み出しているという。

カナダの人権弁護士デービット・マタス氏や米ワシントン拠点の医師からなる倫理団体「強制的な臓器摘出に反対する医師の会(DAFOH)」事務局長トルステン・トレイ氏も、中国共産党が法輪功学習者やウイグル人に対して行っている臓器狩りは、大衆に察知されにくい「コールド・ジェノサイド」だと指摘している。

法案はそのほか、対中強硬派で知られるマルコ・ルビオ議員やトッド・ヤング議員など9人の上院議員から支持を得ている。

関連記事
最近各国で関心が高まっている中共による臓器収奪問題。香港大紀元の記者が臓器収奪を主導した一人とされる黄潔夫・元中国衛生部副部長に直撃取材した経験がある。記者が「あなたが(臓器収奪に加担した)責任追及リストに載せられているが、この件についてどう答えますか?」と質問すると、黄は不敵な笑みを浮かべたまま急いで立ち去っていった。
中共による生体臓器収奪問題を扱ったドキュメンタリー映画『国家の臓器』の上映会が10日夜、参議院議員会館で開催された。出席した国会議員や有識者からは「実態は想像をはるかに超えている」「強い衝撃を受けた」といった声が相次いだ。
中国での臓器収奪を追ったドキュメンタリー映画「国家の臓器」の上映会が12月10日、参議院会館講堂で開催された。 […]
中国での臓器収奪とそれを利用した渡航移植の非人道的実態について、日本保守党の北村晴男議員が参院法務委員会で追及。渡航移植への罰則と入管法による上陸拒否の追加を強く提言した
良心の囚人からの強制臓器収奪が行われている問題を巡り、中国共産党(中共)政権への対応を求める国際請願に、世界で50万人を超える署名が集まった。請願はG7を含む14か国に対し、主導的な対応を取るよう訴えている