2020年7月8日、ホワイトハウスにメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領(右)を迎え入れる当時のドナルド・トランプ大統領(左)(Win McNamee/Getty Images)

メキシコ大統領、トランプ氏起訴は「中傷キャンペーン」…批評家も「証拠不十分」と批判

メキシコのアンドレス・ロペスオブラドール大統領は5日、トランプ前米大統領の起訴は政治的動機に基づくものだと批判した。トランプ氏に批判的な政治家や学者も起訴に対し懐疑的な見解を示している。

トランプ氏をめぐっては、2016年の大統領選前にポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏に13万ドルの口止め料を支払い、その料金を不正に処理したことなど34の罪状で起訴されている。トランプ氏は法廷で無罪を主張し、5日に邸宅「マール・ア・ラーゴ」で行った演説では「2024年の大統領選挙の妨害を狙ったものだ。即刻取り下げられるべき」と非難した。

ロペスオブラドール氏は定例会見で「法的なものであるはずの問題が選挙のために使われるべきではない」「トランプ前大統領にやっていることには賛成できない」と主張。「中傷キャンペーン」だと強調した。

トランプ氏は在任中、メキシコからの不法移民を食い止める政策を打ち出していたが、ロペスオブラドール氏との関係は良好だった。今回の起訴についてもロペスオブラドール氏は「2024年米大統領選出馬への妨害」との見解を示している。

ハンガリーのオルバン・ビクトル首相も3日、「戦い続けろ!我々はあなたとともにいる」とトランプ氏を支持するツイートをした。

ニューヨーク州マンハッタン地区のアルビン・ブラッグ検事が起こした起訴について、トランプ氏に批判的な政治家や学者も起訴に対し懐疑的な見解を示している。

トランプ氏の弾劾裁判で有罪票を投じたミット・ロムニー上院議員は「トランプ氏の性格や振舞いは大統領に相応しくない。しかし、今回の起訴は政治的動機に基づくものだ」と主張。「検察官の行き過ぎた行為は、政敵を犯罪者にする危険な前例となり、国民の司法制度に対する信頼を損なうものだ」と批判した。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の法学教授で選挙資金専門家のリチャード・ハセン氏も「証拠が不十分で破棄される、または2024年選挙を過ぎても裁判に持ち込めない可能性がある。ただ、トランプ氏を勢いづけるだけだ」と述べた。

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