拡大する日中戦力差 勝算は長距離ミサイルによる「縦深攻撃」=慶應大教授
「(防衛費の対GDP比)2%を確保しても、2030年代前半の日本の防衛力はおそらく中国の軍事費の5分の1程度だろうと考えている」。神保謙・慶應大教授は4月28日に国会参考人として委員会に出席し、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさに言及した。日中間の防衛力を均衡させるのではなく、中国軍に作戦を思いとどまらせることができるよう、自衛隊の攻撃能力を向上させるべきだと訴えた。
神保氏によれば、今までの安全保障政策は、インド太平洋地域における米軍の圧倒的な軍事的優位を前提とするものだった。しかし中国が軍事力を高めるにつれ、中国近海への米軍の接近を防ぐ「A2AD(接近阻止・領域拒否)」能力が向上し、米軍の優位性が損なわれ始めている。
日中間の軍事力の差も年々開いている。中国当局が発表した今年度の国防予算は去年と比べて7.2%増の1兆5537億人民元、日本円でおよそ30兆円だ。2005年頃までは日中の防衛費はほぼ同規模だったが、「GDP比2%を確保しても、2030年代前半の日本の防衛力はおそらく中国の軍事費の5分の1程度」になる試算だ。
関連記事
日米共同演習「キーン・ソード27」が10月19~29日に行われる。自衛隊約4万5千人が参加予定で、前回より規模を拡大。フィリピンや欧州各国の軍も実施部隊等に加わる。特定の国は演習の相手として明示していない
自衛隊がインドネシアの山林火災で、海外初となる消火任務を終えた。CH-47輸送ヘリ3機で40回超の活動を行い、約220トンを放水。火災が続くなか、現地側が自力で対応可能になったことを受け、撤収する
小泉防衛相は29日の会見で、広島・長崎の惨禍を繰り返さない決意を示す一方、侵攻を防ぐ抑止力の必要性を訴えた。非核三原則などをめぐる「タブーなき議論」には被爆地から反発も出ている
日本政府は安全保障政策の見直しを加速させている。AIやドローンなどの「新たな戦闘方式」が、「安保3文書」改定の重要な課題となる。元自衛官の矢野義昭教授は、2026年版「防衛白書」が3文書の改定に向けた重要な参考資料になるとみている
留任した小泉進次郎防衛相は、年内の安全保障関連3文書改定へ「1年目以上の速度と強度で」取り組むと表明。核や原子力潜水艦を含む議論、沖縄の基地負担軽減にも言及した