中国が衛星をハイジャックする技術を研究していることに対し米国は警戒を強めている。写真は中国のロケット打ち上げの様子。(Photo by STR/AFP via Getty Images)

中国、衛星ハイジャック技術を模索…リークされた機密文書、米軍が危機感あらわ

現代戦争の要となる通信衛星が狙われている。「中国が衛星をハイジャックし、機能不全に陥らせる技術を軍が開発している」。リークされた米国防総省の機密文書で明らかになった。

「情報通信を重要な戦闘領域と考える中国は、通信を支配するために、衛星回線をハッキングし破壊する能力を開発している」と文書は記している。情報調査局(CIA)から国防総省に報告したもので、4月に21歳の空軍兵が漏洩させた機密文書のひとつ。

文書はさらに、「中心的なネットワークに侵入したり、特定のコマンドを模倣したりする」ことで衛星を乗っ取り、通信や偵察といった機能を失わせることができる」と指摘した。

狙われる米国の衛星システム

それによると、米国の情報インフラは衛星に依存しており、中国共産党は長きにわたって衛星を攻撃し破壊する技術を開発しようと試みてきた。

そして、宇宙兵器の開発を進める中国共産党は今や、米国の通信やGPSインフラ、ミサイル防衛システムを標的としている。

具体的な攻撃手段としては、指向性エネルギー兵器や対衛星ミサイル、衛星ジャマーなどに加え、サイバー戦による攻撃も想定されている。

2021年12月、米宇宙軍のデビッド・トンプソン大将はワシントン・ポスト紙の取材に対し、中国共産党は米国の宇宙インフラに「毎日」のように攻撃を仕掛けていると語った。衛星や通信システムに対する「攻撃」は、米中戦争を想定した中国側の実戦訓練であると考えられている。

中国共産党の脅威を軽減するため、米国はその同盟国と協力し、新しい分散型衛星システムの配備に向けた投資を行っている。そのようなシステムは従来の衛星の脆弱性を補完するものであり、数百から数千の衛星で構成される衛星コンステレーションとして運用される。

関連記事
米空軍は、5千機以上の航空機を擁し、世界最強の空軍戦力を保持している。最新の第五世代戦闘機を含むこの圧倒的なア […]
米国防総省は3月12日、台湾向け「スカイガーディアン」無人機4機の製造を目的とした契約が、ジェネラル・アトミックスと締結されたと発表した。
3月9日、米空軍は「F-35Aステルス戦闘機が、B61-12戦術核弾頭の搭載が可能な認証を受けた」と発表。同機は世界初の核弾頭を搭載できるステルス戦闘機となった。
米国の第五世代戦闘機であるF-35「ライトニングII」は、先進的なステルス技術を先端的で機動性の高い超音速戦闘機に統合し、パイロットに前例のない状況認識能力と比類なき殺傷能力および生存能力を提供している。海軍のパイロットは、F-35戦闘機は映画『トップガン:マーヴェリック』を退屈なものにしてしまうと述べている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]