沈没した英豪華客船タイタニック号の残骸を見るツアー中に行方不明になった潜水艇「タイタン」の乗客が署名していたと考えられる免責同意書は、潜水艇を保有するツアー運営会社オーシャンゲート・エクスペディションズを乗客の遺族が提訴した場合に、運営会社を訴訟から守ることにはならない可能性がある、と法律専門家は話している。オーシャンゲート提供写真(2023年 ロイター)

潜水艇タイタン、乗客が免責同意でも遺族が運営会社提訴の可能性

[22日 ロイター] – 沈没した英豪華客船タイタニック号の残骸を見るツアー中に行方不明になった潜水艇「タイタン」の乗客が署名していたと考えられる免責同意書は、潜水艇を保有するツアー運営会社オーシャンゲート・エクスペディションズを乗客の遺族が提訴した場合に、運営会社を訴訟から守ることにはならない可能性がある、と法律専門家は話している。

米沿岸警備隊は22日、発見された潜水艇の破片から、潜水艇が圧壊したとの見方を示した。

2022年7月に潜水艇に乗り込んだ米CBSテレビの記者は、署名した免責同意書には死亡する可能性について、最初のページだけでも3カ所に書かれていたと話した。

ロイターはオーシャンゲートの免責同意書の内容を独自には確認することができなかった。オーシャンゲートは22日時点でコメント要請に返答していない。

免責同意書は常に有効とは限らず、十分に開示されていない重大な過失や危険を示す証拠がある場合には、判事が免責条項の適用を拒否することも珍しくはない。

テキサス州を拠点とする弁護士で海事法を専門とするマシュー・D・シャッファー氏は「乗客には知らされていない潜水艇の設計や建造に関する情報がある場合や、潜水艇が今回の潜水には適していないという情報を認識しつつ運航されていた場合には、免責同意書の有効性は間違いなく失われる」と述べた。

オーシャンゲートは、同社に重大な過失はなく、免責同意書には深海へ潜る危険について十分に記述してあるため、免責条項は有効だと主張するとみられる。

過失があった場合にその度合いと、過失が免責条項の有効性に及ぼす影響は、事故原因によって決まることになりそうだが、事故原因は依然として調査中。

カリフォルニア州の弁護士、ジョセフ・ロウ氏は「免責条項にもかかわらず遺族が請求できることには非常に多くのさまざまな事例があるものの、事故原因が究明されるまでは、免責条項が適用されるかどうかは判断できない」と語った。

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