米最高裁は29日、ハーバード大学とノースカロライナ大学による人種を考慮した入学選考について、合衆国憲法が定める「法の下の平等な保護に反している」という判断を下した。2018年5月撮影(2023年 ロイター/Brian Snyder/File Photo)

人種考慮は違憲、米大学の入学選考 最高裁が判断 多様性確保に影響も

[29日 ロイター] – 米最高裁は29日、ハーバード大学とノースカロライナ大学による人種を考慮した入学選考について、合衆国憲法が定める「法の下の平等な保護に反している」という判断を下した。

これによって、学生の多様性を確保するため長年採用されてきた黒人やヒスパニック系など人種的マイノリティー(少数者)を優遇する「アファーマティブ・アクション(積極的な差別是正措置)」は事実上制限され、米国内の他の多くの大学も選考方法の見直しを迫られることになる。

訴えは2014年に保守派団体が起こし、ハーバード大についてはアジア系米国人の志願者、ノースカロライナ大では白人とアジア系の志願者がそれぞれ差別されていると主張していた。

ハーバード大については保守派判事ら6人が違憲判断を支持、リベラル派判事2人が反対。ノースカロライナ大についても6対3での判断となった。

保守派とされるロバーツ最高裁長官は、学生は「人種によってではなく、個人としての経験に基づき扱われなければならない」という認識を示した。

バイデン大統領は、最高裁の判断には同意できないと表明。「差別はまだ米国に存在し、今日の決定はそれを変えるものではない」と強調した。

大学に対しては「人種が多様であればあるほど、われわれの大学は強くなると確信している」とし、学生の多様性を確保するコミットメントを放棄しないよう呼びかけ、入学選考に際し経済的背景や人種差別を含む苦難など、多岐にわたる要素を考慮するよう促した。

また、最高裁について「無法な(rogue)裁判所」かという記者団からの質問に対しては「正常な裁判所ではない」と応じた。

一方、在任時に保守派の最高裁判事3人を指名した共和党のトランプ前大統領は最高裁の判断を受け、「米国にとって素晴らしい日」と称賛した。

最高裁の判断を受け、ハーバード大の指導部は声明で「裁判所の新たな判断と矛盾しないよう、われわれの本質的な価値をどのように維持してくか見極める」とした。ノースカロライナ大も「法に従う」と言明した。

関連記事
アメリカのキャンパス、テスラの工場、そして今月スウェーデンで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストの会場において、混乱を招き、あからさまに破壊的ですらある凶悪犯たちに共通するものは何だろうか?彼らは皆、何らかの形で資本主義を破壊したいのだ。
多くのアメリカ人は、いまや1960年の選挙についてあまり覚えていない。 また、2020年の選挙が1960年の選挙と非常に似ていることに気づいている人も少ない。
国家情報長官アヴリル・ヘインズ氏が15日に、ISIS関連の人身売買ネットワークが南部国境を越えて不法移民の通過を容易にしていると確認した。これを受け、ジョン・コーニン上院議員は、テロの脅威が米国内で発生するのは時間の問題だと警告した。
アヴリル・ヘインズ国家情報長官によると、北京は米国や世界の選挙に影響を与える能力に自信を深めているという。 2024年の選挙に対する外国の脅威に関する上院公聴会でヘインズ氏は、中共当局は人工知能とビッグデータ分析を通じて影響力作戦のツールを完成させていると述べた。
史上最も早い時期に行われる大統領テレビ討論会が6月27日にCNNで開催されることが確認された。