2型糖尿病による健康被害が21世紀の黒死病に匹敵する今、2型糖尿病患者の血糖値をよりよくコントロールする、手頃で効果的な方法として、ほとんど忘れ去られようとしている、短期オートミール食介入を採用することを再考する時が来たのでしょうか？　オートミール食が体にもたらす驚異的で持続的な効果とは？

数千年前の古代エジプトでは、糖尿病は「排尿過多」と表現され、「脚を流れる大河ナイル」とさえ詩的に表現されていました。皮肉なことに、当時推奨されていた治療法は、小麦、ブドウ、蜂蜜、ベリーを使った食事療法でした。それから後、「糖尿病」という言葉の生みだされ、その処方箋もまた、高炭水化物食だったのです。

インスリンが登場する以前から、医師たちはオートミールを使って糖尿病患者の命を救っていました。しかし、イギリスの糖尿病学者ハロルド・ヒムズワース卿が登場し、1型糖尿病と2型糖尿病を初めて区別し、インスリン抵抗性の概念を定義してから、この治療法がより意味のあるものになりました。高炭水化物食に比べ、わずか数日間の高脂肪食は、砂糖水摂取後のピーク血糖値を2倍に上昇させます。

重度の糖尿病患者を救うオートミール粥

一般に、1 日 3 回、最大 2.5 カップのオートミールを食べるだけで済みますが、もちろん、新鮮なハーブや生野菜を加えて風味を楽しむこともできます。このオートミールのカロリーは約1000キロカロリーで、脂肪、塩分、動物性タンパク質を添加しない、低脂肪、植物性、低カロリーの食事療法です。

数日間のオートミールを食べるだけで、本当に大きな変化が得られるのでしょうか？　ICUで重度のインスリン抵抗性にオート麦を介入した症例報告があります。入院後48時間以内に、患者は1日200単位以上のインスリンを必要とするほど、重度のインスリン抵抗性を発症しました。それ以前、患者は標準的な糖尿病患者用の経管栄養を受けていましたが、どうやらうまくいかなかったようです。

そこで医師は経管栄養を、砕いて挽いたオーツ麦と野菜を混ぜたものに変更しました。すると、奇跡的にうまくいきました。5日後、患者の朝一番の血糖値は250前後から100前後にまで下がり、正常値に近づきました。インスリンの投与は160単位で済み、1日あたり200単位以上あったインスリンを160単位に減らすことができたのです。

オートミールを2日間食べるとインスリンが40％減る

集中治療室でのオートミールの救命効果は、ほとんど奇跡的です。では、一般的な糖尿病患者にとって、オートミールを数日間食べ、その後通常の食事に戻すことで、どのようなメリットがあるのでしょうか？

オートミールを数日間食べるだけで、その効果が1か月ほど持続することが、多くの研究で示されています。例えば、この無作為化対照クロスオーバー臨床試験では、オートミール食は、摂取カロリーを制限した低カロリー糖尿病食と比較して、わずか2日間でインスリンの必要量を約40％減少させただけでなく、4週間後の長期血糖コントロール試験でもこの効果が持続していることが示されました。

このように、1日のインスリン投与量が大幅に減少し、その効果が数週間持続するというメリットが話題になっているのです。インスリンの大量注射が身体にどのような影響を及ぼすかを確認することが重要です。なぜなら、インスリンは体重増加を引き起こし、その結果、根本的なインスリン抵抗性を悪化させる可能性があるためです。悪循環のようなものです。

オートミール療法を行うことで、実際に病気の根本原因を治療することになるのです。高インスリンレベルに関連する癌の発生率や総死亡率を減少させることは言うまでもありません。

他の新しい研究でも同様の結果が得られています。オートミールを2日間食べると、必要なインスリンの量が大幅に減り、血糖値が4週間改善しました。例えば、コントロールが困難な2型糖尿病患者は、オートミール食を2日間続けた後、インスリン投与量が40％減少しましたが、平均血糖値はほぼ正常でした。

介入はわずか2日間でしたが、インスリン必要量の有意な減少と平均血糖値の改善は、試験が終了し患者が通常の食事に戻った後も数週間持続しました。オートミールを摂取して2日後にはインスリン必要量は劇的に減少し、1か月後も患者は依然としてインスリン投与量の40％未満しか必要としませんでした。

このような短期間の介入で、なぜこのような劇的な効果が数週間も続くのでしょうか？　短期間のオートミール食介入は、保護作用のある食品を最大限に摂取するという点では、全食品、植物ベースの食事と比較することはできません。つまり、患者は2型糖尿病の理想的な食べ方を完全に逆にしてみるべきですが、糖尿病発症のリスクを高める可能性のある動物性食品は厳格に除外すべきです。

そのため、たった2日間飽和脂肪酸をカットするだけでも、インスリン抵抗性が著しく低下する可能性があり、またジャンクフードを食べ始めたとしても、少なくとも数週間はその恩恵を享受することができます。

ただし、このオート麦ダイエットを試す場合は、血糖降下剤をいつでも中止できるように医師が準備しておかなければなりません。

もしICUにいる患者がまだ200単位のインスリンを投与されていたら、あるいは血糖値が下がりすぎて死亡したらと想像してみてください。

したがって、低血糖症状があっても厳重な監視ができない患者にはオートミールの介入はできません。したがって、オートミールを試すデメリットは、刺激が強すぎる可能性があることです。したがって、厳重な医学的監視の下で行わなければなりません。

この記事で述べられている見解は、著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの見解を反映するものではありません。