カナダにある「康美中医診所(Liu’s Wisdom Healing Centre)」の院長であるジョナサン・リウ氏、大紀元の取材に対し、「血糖値を安定させるために高価な健康食品を購入する必要はなく、多くの日常食材そのものが優れた健康効果を持っています」と述べました。
天然の血糖コントロール食材
◯ 野菜類
アブラナ科の野菜:ブロッコリーやカイランなどのアブラナ科野菜は、食物繊維が豊富で低カロリーです。ブロッコリーは消化・吸収の速度が比較的緩やかです。「血糖値をコントロールするために果物や白米を食べるのをためらったことはありませんか?」実は、血糖値を安定させるために極端な糖質制限をする必要はありません。医師や管理栄養士は、食べ物の選び方や適切な量、そして食べる順番を工夫することの方が、単に糖質を減らすことよりも重要であると指摘しています。
ブロッコリーは食後の血糖値の変動が比較的小さく、満腹感を高めて摂取カロリーを抑えるのに役立つため、特に体重が気になる人や血糖値を管理したい人に適しています。また、抗酸化作用や抗炎症作用もあり、間接的に膵臓細胞を保護する働きも期待されています。
ケール:研究によると、ケールは食後の血糖値の上昇を緩やかにするとともに、腸内細菌叢やコレステロール代謝にも良い影響を与える可能性があります。
ほうれん草:マグネシウムやカリウムなどのミネラルを豊富に含み、代謝の安定維持に役立ちます。
紫玉ねぎ:紫玉ねぎにはケルセチンが豊富に含まれています。ケルセチンは天然のフラボノイド系ファイトケミカルで、主に玉ねぎの外側に多く含まれ、色が濃いほど含有量も多くなります。
台湾の可苡栄養コンサルティングセンターの管理栄養士であり、健康食品初級エンジニアでもある蔡宜方氏は、大紀元の取材に対し、「紫玉ねぎに含まれるケルセチンは、肝臓でのグリコーゲン分解を抑えたり、ブドウ糖の利用を促進したり、インスリン感受性を高めたりすることで、血糖値の安定維持に役立つ可能性があります」と述べました。
◯ きのこ類
ジョナサン・リウ氏は、「きのこ類は血糖コントロール食材として過小評価されがちです」と述べています。きのこは低カロリーで、食物繊維や多糖類が豊富なため、満腹感を高め、摂取カロリーを減らし、食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があります。日常の食事では「肉または魚などのおかず1品、野菜1品、きのこ1品」を組み合わせることを勧めています。
◯ 果物類
蔡宜方氏は、「血糖値を管理するために果物を完全に断つ必要はなく、血糖コントロールに適した果物もあります」と述べています。
グアバ:ビタミンCなどの栄養素を豊富に含みます。ビタミンCには抗酸化作用があり、酸化ストレスによる膵島細胞の損傷を軽減するのに役立ちます。多くの果物と比べて糖分が少なく、果物好きで血糖管理をしている人に適しています。
キウイフルーツ:研究では、キウイフルーツは食後の血糖値上昇を緩やかにすることが示されています。また、特有のアクチニジンという酵素を含み、たんぱく質の分解や消化を助けるため、食後のデザートとしても適しています。
アボカド:食物繊維が豊富でGI値(グリセミック・インデックス)が低く、満腹感を高めて血糖値の変動を穏やかにします。また、ビタミンE、ビタミンA、カロテノイドなどを含み、抗酸化作用や抗炎症作用も期待できます。
蔡宜方氏は、「果糖は血糖値を直接上昇させるわけではありませんが、過剰摂取すると内臓脂肪の蓄積や肥満のリスクが高まる可能性があります」と注意を促しています。一方で、果物には食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化作用のあるファイトケミカルも豊富に含まれているため、糖尿病患者や糖尿病予備群の人でも適量であれば食べることができ、まったく食べないとかえって栄養バランスが偏る恐れがあります。
血糖コントロールの落とし穴
上記のような血糖コントロールに役立つ食材を積極的に摂る一方で、知らないうちに血糖値を急上昇させる食品にも注意が必要です。
◯ 加工された朝食
ジョナサン・リウ氏は、「現代人は忙しい生活を送っているため、市販の手軽な朝食が増えています」と述べています。例えば、オーツミルク、シリアル、砂糖入りコーンフレーク、パンケーキ、ジャムトーストなどです。これらの食品の多くは高度に加工されており、食物繊維が壊されるため、糖分が体に吸収されやすくなっています。
オーツミルク:天然のオーツ麦にはβ-グルカンや食物繊維が豊富に含まれ、コレステロールを下げ、糖の吸収を緩やかにする働きがあります。しかし、オーツミルクなどに加工される過程で、本来複雑な構造を持つデンプンが小さな糖分子へ分解され、食物繊維の利点が減少するとともに、血糖値の上昇が速くなります。血糖値が急激に上昇すると、体はバランスを保つためにより多くのインスリンを分泌しなければならず、これが長期間繰り返されるとインスリン抵抗性のリスクが高まる可能性があります。
◯ 加糖飲料
ジョナサン・リウ氏は、高度に加工された飲料の中でも、特に注意すべきなのが加糖飲料であると指摘しています。コーラ、ミルクティー、果汁飲料、スポーツドリンク、エナジードリンクなどには、多量の精製糖やその他の精製炭水化物が含まれていることが少なくありません。
これらの糖分は「液体の糖」と呼ばれ、液体の状態で存在するため、体内への吸収速度は多くの固形食品よりも速く、血糖値を急激に上昇させます。その結果、一時的に元気が出たりエネルギーが湧いたように感じますが、その後大量のインスリンが分泌され、血糖値は急激に低下します。
適切な割合で食べることが血糖コントロールに効果的
多くの人は、炭水化物を減らしたり、ご飯を食べなかったりすることが血糖コントロールだと考えています。しかしジョナサン・リウ氏は、「血糖値を安定させるためには、特定の食品を完全にやめることではなく、食品の種類や量、食事全体のバランスが重要です」と述べています。
蔡宜方氏は、「プレート法」を利用して毎食の割合を決めることで、血糖コントロールの基本をより簡単に実践できると勧めています。
- 朝夕に牛乳を1杯:毎日朝と夕方にそれぞれ240mlの乳製品を飲むか、チーズや無糖ヨーグルトなどを食べます。
- 毎食に果物を添える:果物1食分は握りこぶし1個分程度、またはカットして茶碗約3分の2~1杯分です。地元産・旬の果物を、できるだけ種類豊富に選ぶことが勧められます。
- 野菜は果物より多く:野菜の量は果物より多く摂るようにします。毎食十分な量の野菜を食べ、そのうち濃い色の野菜(濃緑、黄色、オレンジ色、赤色)は3分の1以上を占めるようにします。
- ご飯と野菜の割合:主食の量は野菜と同程度を目安とし、できるだけ精製されていない全粒穀物を選びます。また、少なくとも3分の1は玄米、有機トウモロコシ、サツマイモなどの未精製穀物や雑穀にすることが推奨されます。
- 豆・魚・卵・肉:量は手のひら1枚分程度が目安です。飽和脂肪酸を減らすため、豆類を最優先とし、次に魚介類、卵、鶏肉、畜肉の順で選び、加工肉はできるだけ避けましょう。
- ナッツ・種子類:毎食小さじ1杯程度で十分です。アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、ごま、かぼちゃの種、ひまわりの種などがおすすめです。
血糖コントロールの鍵は「食べる順番」と「調理法」
蔡宜方氏は、「食べる順番も非常に重要で、まず野菜やたんぱく質を食べ、その後に主食や果物を食べることで、食後の血糖値の急上昇を抑えられます」と述べています。
調理法は、茹でる、シンプルなグリル焼き、ソテー、蒸す、煮るなどのシンプルな方法を選び、砂糖入りソースや甘い漬けだれ、とろみのある濃厚なソースの使用は避けることが勧められます。
1日の血糖コントロール食事例
- 朝食:握りこぶし大のサツマイモ1個+茶葉蛋2個+グリーンサラダ1杯+牛乳1杯。
- 昼食:玄米ご飯半膳+鶏もも肉の煮込み1本+豆腐1品+茹で青菜1杯+グアバ半分。
- 間食:無糖ヨーグルト、無塩ミックスナッツ1握り(約20~30g)。
- 夕食:雑穀ご飯半膳+蒸しタイ1切れ(手のひら大)+きのこと青菜の炒め物1杯+わかめスープ+キウイフルーツ1個。
ジョナサン・リウ氏は、このような食事の組み合わせは伝統的な食養生の知恵とも一致していると述べています。古典医学書『黄帝内経』には「五穀は養い、五果は助け、五畜は益し、五菜は満たす」と記されており、さまざまな天然食材をバランスよく摂ることの重要性が強調されています。「五菜は満たす」とは、野菜が栄養を充実させる重要な要素であり、十分な量を食べるべきであるという意味です。
食事以外で血糖値を安定させる3つの習慣
ジョナサン・リウ氏は、血糖値を安定させるには食事だけでなく、生活習慣の改善によってもインスリン感受性を高め、血液中のブドウ糖をより効率よく利用できるようになると述べています。
筋肉量を増やす:筋肉はブドウ糖を消費する重要な組織です。筋肉量が多いほど、体のインスリンに対する反応は一般的に良くなります。逆に、体脂肪、特に腹部や内臓脂肪が多いと、インスリン感受性が低下し、血糖コントロールが難しくなるだけでなく、糖尿病の合併症リスクも高まります。
質の良い睡眠をとる:睡眠は体の各器官が自ら修復を行う大切な時間です。研究では、慢性的な睡眠不足や生活リズムの乱れは、インスリン抵抗性のリスクを高めやすいことが示されています。
ストレスを減らす:長期間ストレス状態が続くと、体内でストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌が増え、血糖値の上昇を促すだけでなく、食欲の増加につながる可能性もあります。
(翻訳編集 解問)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。