過密状態にある米国の国境は、国の安全を脅威に晒す要因だ。モーガン氏は、手薄になった国境警備隊では、潜在的なテロリストを特定するための徹底的な情報聴取ができないと主張する。写真はメキシコ、チワワ州シウダー・フアレスのリオ・グランデ川の国境の壁の鉄格子(Photo by HERIKA MARTINEZ/AFP via Getty Images)

一体何が起きているのか? 米国密入国をめざす中国人が急増している理由

数千もの中国人が、全てを失う可能性のあるリスクを冒して、長く危険な旅を経て、ラテンアメリカを経由して米国とメキシコの国境に到着している。

ロイターの報道によれば、2022年10月から2023年3月までの間に、米国税関と国境保護局は、米国とメキシコの国境で6500人以上の中国人を逮捕した。1年前の同じ期間に比べると15倍以上増えている。

6月27日に、ツイッター上で「中国で深刻な難民危機が発生している」とネットユーザーが投稿した。あるネットユーザーは、米国の国境警備員でさえ、中国で何が起こっているのか、何故こんなに多くの人々が中を逃れるのかを理解できていないとコメント。

2021年に密航ルートで米国に来た中国民主党のメンバーである何虎林氏と申育龍氏が、自身の経験を語った。

中国から逃れてきた中国人にとって、ラテンアメリカを経由して米国に向かうことは、長く、高く、危険な旅となる。

中国人は通常、中国人がビザなしで入国できる数少ない南米諸国の1つであるエクアドルに飛び、そこから2300マイル(約3700キロメートル)の長旅を始める。

 米国で人間扱いされていると感じる

中国鉱業大学でコンピューターサイエンスを専攻した何虎林氏は、以前は北京の金融ソフトウェア会社のエンジニアであり、妻は中国の技術資本が強い会社で働いており、夫婦は若い中産階級に属していた。

 何氏は「銀行やデパート、政府部門に行けば、米国人はとても丁寧に接し、ソフトに案内し、どんな助けが必要かを尋ね、敬意を持って接してくれる。 中国では違うんだ。普通の人が政府部門に用があったら、助けを乞うことになってしまう」と語った。

何氏にとって、2人の娘の学校教育は大変なものだった。 米国に来てから、子供たちがずっと幸せであることに気づいた。先生たちは子供たちにとても親切で、宿題もあまり出ない。

中国では、子供たちは夜遅くまで宿題をしなければならず、先生に叩かれることもあった。また、戸籍制度があるため、自分の子供が最寄りの学校に通えるように、大家さんの子供が学校を卒業するまで待たなければならなかった。

何氏は「米国に住んでいると、主人のような気分になる。中国では、たとえお金を持っていても、尊厳もなければ地位もない」と述べた。

申育龍氏の母親は病院でガン治療を受けていた時、1日に数千ドルも使っていたが、病院側は薬代が払えないという理由で服薬を中止させ、数日後に亡くなった。同じような悲劇が頻発しているのを見て、申氏は投稿でそれを批判した。

しかしその後、申氏は3人の警察官に警察署に連れて行かれた。申氏は頭、体を殴られた後、誓約書を書かされ、警察署で一晩手錠をかけられ、翌日から5日間拘置所に送られた。

数年後、彼は会社から北京経由で故郷の西安に戻った。家に着くやいなや警察から呼び出され、北京で何をしているのかと尋ねられた。即ち、警察は申氏を監視している。

米国への第一印象を聞かれたら、同氏は「 (中国に比べれば)まるで天国と地獄だ」と答えた。 米国の自然環境は総じて非常に良いと感じた。そして、心がすぐにリラックスした。

何虎林氏と申育龍氏は、中国人が中国共産党(中共)の行動をはっきりと認識することを望んでいる。両氏は、中共には問題が山積しており、いつ解体してもおかしくないと考えている。これが近年、大量の中国人が移民を試みる理由だと彼らは述べている。

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