体をリラックスさせると、心が生きる意志と意欲を自然に生み出します。(Kazpon / PIXTA)

肝臓が最も恐れている4つのこと 漢方医が教える肝臓を養う1つの秘訣(3)

(続き)

4.徹夜は肝臓を痛めます

漢方でいう肝臓が悪いとは、現代医学でいう肝機能の障害だけでなく、肝臓のエネルギーとも関係しています。漢方では人体のエネルギーを「気」と呼びます。気と血が流れる人体の通路網は「経絡」と呼ばれ、12の内臓に対応する12の大経絡があります。

そのうちのひとつが母趾(親指)からはじまる「肝経絡」で、人体の経絡の中で肝臓の機能を調節する役割を担う経絡です。中国医学の専門家によると、肝臓の正常な機能と肝臓全体の健康を維持するためには、肝経のスムーズな流れが重要です。

午前1時から午前3時までは、気と血が肝経に流れ込む時間帯です。この時間に眠っていれば肝経絡の汚いものを取り除くことができますが、この時間にまだ夜更かしをしていると、日中に肝臓に溜まったものが浚えられず、肝臓の過度の疲労につながり、抵抗力が低下し、体の循環と免疫システムに損傷を与えます。これは、現代医学の研究における睡眠の質が、肝臓病と関連しているという主張に一致しています。

タンポポの肝臓保護】

庭によく生えている植物で、肝臓の経絡に入り、停滞した気を取り除く作用があると漢方医が認めているのはタンポポです。西洋医学でも、タンポポは、さまざまな肝臓病の予防や治療に広く使われており、肝臓の損傷を防ぐ効果があることが分かっています。

タンポポは苦味がありますが、繊維質が排便を促し、乳房の腫れや炎症に効果があるため確かに良い処方です。しかし、脾臓や胃の弱い人、妊婦、乳幼児には適しません。

タンポポ茶。(Chamille White / PIXTA)

肝臓の健康法:

季節を感じ、ゆったりとした気分で過ごす

漢方医学では、天候や季節、昼夜のサイクルに合わせて生活習慣を整え、生まれ持った性質に従って生活することを提唱しています。そうすれば体の免疫力が高まり、病気になりにくく、COVID-19(中共ウイルス)にも感染しにくくなります。肝臓を守る秘訣のひとつは、リラックスした気分を保ち、緊張などの悪い感情を取り除くことで、肝臓は自然に健康になります。

黄帝内経』では、健康維持の重点は「髪を緩めることで、生まれる意志を作り、生まれても殺さない、与えても奪わない、褒めても罰しない」ことであると説明しています。つまり、髪を緩め、体をリラックスさせると、心が生きる意志と意欲を自然に生み出します。

世の中の生命を尊重し、守り、人に助けや支援を与え、人を褒め、褒美を与え、生命を傷つけたり、利益を奪ったり、罰したりしないようにすれば、肝臓を傷めにくくなります。そうでなければ、肝臓の健康を損なうことになります。

皆さんも今日から体調管理をしっかりして、笑顔と喜びを増やしてください。

(完)

 

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生命力旺盛なタンポポは無尽蔵の雑草と言われていますが、本当にその通りです。民間療法には、消化を助け、免疫力を強化し、血圧を下げ、炎症を防ぎ、浮腫を軽減するなど、多くの効果があります。タンポポの根、葉、花を含む全草をお茶にすることができ、さまざまな独特の風味があります。
タンポポは春になるとどこにでも見かける野原やあぜ道、土手、道端の植物です。清熱解毒や利湿作用があり、皮膚の傷から肝臓や胃の炎症まで治すことができます。また、髪の黒さを保つ効果もあります。その薬草としての価値は大きく、かつて民の安康を守る存在でした。