毛沢東がかつて考案した人民戦争は今やサイバー戦で応用されている。写真はイメージ。(GettyImages)

中国ネット民兵が仕掛ける「サイバー人民戦争」 デジタル空間で蘇る毛沢東の大戦略

過去数十年にわたり、中国共産党は軍・官・民のサイバー人材を利用して、「敵対国」に対し情報戦を仕掛けてきた。サイバーセキュリティの専門家は取材に対し、中共は「ネット民兵」を利用してデジタル版の「人民戦争」を行なっていると指摘した。日本や米国などの政府機関や民間企業は軒並み被害を被っている。

米国の元国防副次官補(中東担当)のシモーヌ・レディーン氏によると、サイバー攻撃に加担する民間のITスペシャリストや研究者、政府職員らは中共軍(PLA)に在籍しないものの、攻撃時には共産党政権の「代理人や傭兵」に変貌する。外国の政府や企業が保有する機密情報を盗み取り、中共に戦略的な優位性をもたらす。

「中国のサイバー戦略の特徴の一つとして、サイバー領域と市民経済を統合させていることが挙げられる」。こう話すのはタフツ大学のキーラン・リチャード・グリーン研究員だ。中共軍はサイバー領域の様々な分野を民間セクターと協働させることにより、作戦の効果を増幅させているという。

▶ 続きを読む
関連記事
中国のファーウェイ系EVで異常動作。「開く(後ろへ倒して)」と指示した座席は逆に前へ倒す動きを始め、子供を挟みかけた。父親が「止まれ!」と何度叫んでもシステムは反応せず、中国SNSで「危なすぎる」と波紋が広がっている
中国AI「豆包」で、歴史上の大統領を検索すると人気俳優の画像が表示される騒動が発生。有料化直後だっただけに、「これで課金?」と批判が広がり、中国SNSでトレンド入り
中共系企業が提供する安価な5G通信網。その裏では、各国を技術・資金・インフラ面で依存させる「シリコン・カーテン」が広がっている。ファーウェイ問題や一帯一路を通じて進む「デジタル属国化」の実態を分析する
最近、中国版のTikTok、抖音(ドウイン)では「深夜の造反」と呼ばれる現象が現れている。市民が隠喩的な文章で、特定の時間帯に中国共産党への不満を投稿している。
中国石油タンカーが今週、ホルムズ海峡の入り口付近でイラン軍の攻撃を受けた。イラン戦争勃発以来初めて。中共当局は中国船と認めず、専門家からは、当局が事件の影響を抑えようとしている可能性があると指摘