バイデン米政権は、ベトナムに過去最大規模の武器売却を行う協議を進めている。事情に詳しい2人の関係者がロイターに明かした。写真はバイデン米大統領。ハノイで11日撮影(2023年 ロイター/Evelyn Hockstein)

米がベトナム向け過去最大規模の武器売却を協議=関係者

[ワシントン 23日 ロイター] – バイデン米政権は、ベトナムに過去最大規模の武器売却を行う協議を進めている。事情に詳しい2人の関係者がロイターに明かした。

関係者の1人の話では、売却対象にはF16戦闘機などが含まれ、来年中にも合意に至る可能性がある。バイデン大統領とベトナム最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長は11日に共同声明を発表し、両国関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げしており、大規模武器売却はそうした取り組みの集大成となってもおかしくない。

一方この動きは中国の反発を招く可能性もある。ベトナムと中国の間では南シナ海における長年の領海問題を巡る対立が強まり、ベトナム側が海軍力の拡充を図ろうとしている理由の1つにはこうした状況がある。

米国とベトナムの話し合いはまだ始まったばかりで、細かい条件を詰める作業はこれからになるため、最終的に協議がまとまるかどうかは現時点では分かっていない。ただ過去1カ月にハノイやニューヨーク、ワシントンなどで開かれた両国高官の交渉でもこの武器売却が重要な議題の1つになったもようだ。

もう1人の関係者は、米国は財政が苦しいベトナムのために高額な装備品調達に向けた特別な資金支援の枠組みも検討していると述べた。

ある米政府高官は「われわれはベトナム側と非常に生産的で有望な安全保障上の関係を結んでおり、特に領海監視や輸送機、その他幾つかのプラットフォームについて米国の武器システムに対して彼らから興味深い動きが見える」と述べ、ベトナムが本当に有益な武器を入手できるように資金面でより適切な選択肢を提供できる方法が米政府内で考慮されていると付け加えた。

米国のベトナム向け武器売却は2016年に解禁されたが、これまでの取引は沿岸警備艇や訓練用航空機などに限られ、ベトナムは武器の約8割をロシアから調達していた。

関連記事
米議会の超党派議員は3日、ブリンケン国務長官宛てに書簡を送り、中国共産党による臓器狩りの阻止に向けた取り組みの […]
カリフォルニア州最高裁判所で係争中のフローレス事件では、フローレス被告は午後10時に犯罪多発地域で一人でいるのを警察が発見したとき、駐車中の車の後ろに身を潜めた。
フロリダ州最高裁判所は4月1日、2022年に署名された中絶禁止15週令を支持する待望の判決を下した。 この判決 […]
米ドナルド・トランプ前大統領の私邸から押収した機密文書が入った箱の中にある書類の順序が押収当時の状態と違っていたため、トランプ氏の弁護団は、裁判の期限を延期し、制裁を求めることも含む追加の申し立てを行おうとしている。
中共が海外の反体制派に対して展開する国際的な弾圧は絶え間なく続いている。