なぜ年齢を重ねると冷えを感じやすくなるのでしょう?

専門家はこう言っています。

特に気温の変化が大きい場合には、高齢者に対して体を温めることに、もっと注意を払うように良く言われています。 実際、高齢者は加齢により、冷えを感じやすくなっていると言われています。 ですので、専門家がどう言っているのか見てみましょう。

年を取ると、寒さを感じやすくなると思うなら、それは正常なことです。 一部の医師は、これは自然な老化の一面であり、その原因には皮膚が薄くなることや筋肉量の減少が含まれると言っています。

米ノースウェスタン大学医療システム(Northwestern Medicine)の老年病学専門家マッコイ(June McKoy)氏は、「加齢とともに皮膚は薄くなり、細胞の一部が失われます。しかも、脂肪パッド(脂肪のかたまり)も失われます」と指摘しています。マッコイ氏によると、脂肪パッドは家の中の断熱材のような機能で、人を温かく保つことができるのですね。脂肪パッドの一部を失うと、体は部分的な保温能力を失い、若いころのように温めることができなくなるのです。

ヴァンダービルト大学(Vanderbirt University)の老年病専門家であるボウルズ(James Powers)氏によると、脂肪の流出は足や腕に特に起こりやすいと言うのです。そのため、これらの部位は体の他の部位よりも寒いことに気づくかもしれません。

脂肪以外にも老化によって筋肉が失われることにあります。ボウルズ氏によると、平均的に一般の人は、30歳から10年ごとに、3~8%の筋肉を失っていると報告しています。そのため、65歳になると、多くの人が10%以上筋肉を失っていることになります。80歳になると30%も無くなってしまったことになります。

彼は、これはあなたの力に影響するだけでなく、あなたの保温にも影響すると説明しました。筋肉は新陳代謝に最も積極的な器官です。筋肉組織は酸素を多く使用して新陳代謝し、人を温める熱を発生させてきた器官なのです。

ジョンズ・ホプキンス大学医学部(Johns Hopkins University School of Medicine)医学准教授のグリーン(Ariel Green)氏は、寒さを感じやすくなるのは老化の自然な現象ですが、健康上の問題が原因である場合もあると指摘しました。
たとえば、糖尿病、血行不良、心不全のある人は、甲状腺機能低下症や貧血と同様に、寒さを感じる可能性があるとグリーン氏は述べました。
彼女は、もしあなたがこのような状況にあれば、医者に聞いてもいいですが、あまり心配する必要はないと言っています。

冷え性の問題を軽減するにはどうすればよいですか?

ボウルズ氏は、特に季節が秋から冬に向かうにつれて、毛布やセーターを使用することが暖かく過ごすための素晴らしい方法だと助言しています。 また、衣服を重ね着して暖かい環境にすることも効果的だと言っています。
そのほか、運動も効果があると述べました。 運動することで、寒さを感じる主な原因である筋肉の減少を遅らせることができます。 また、運動自体も体を暖かく感じさせてくれます。

グリーン氏は、人は長時間座っていると寒さを感じる傾向があると付け加えました。 年齢を重ねるにつれて、寒さを感じる傾向がある場合は、より頻繁に体を動かす必要があります。

彼女は、ウォーキング、サイクリング、または椅子に座りながら、水の入ったボトルやスープの缶を数回持ち上げるなどの簡単なウェイトトレーニングを行うことを提案しています。 血行を促進し、体が温かくなるような運動の必要性があるのですね。
最も重要なことは、できるだけ体を動かすことだと彼女は言いました。 運動は体を温めるだけでなく、心臓と精神の健康にも役立ち、怪我のリスクも軽減します。 つまり、運動はあらゆる面で効果があるということですね。