なぜ夜にひどい寝汗? 改善方法は?

夜眠っている間、人々は汗をかきますが、量が少しであれば自然な現象ですね。しかし、汗が大量であり、頻繁に起こる場合、それは盗汗(とうかん、寝汗)の可能性があります。では、なぜこのような状況が発生するのか、そしてどのように改善すべきなのでしょうか?

全米で最も優れた病院のひとつ、メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)は、ひどい寝汗は多くの場合、特定の症状や病気によって引き起こされるといいます。それは、睡眠中に服と寝具がびしょ濡れになるほど、ひどい寝汗をかくことなのです。

南オーストラリア大学のバンクス教授(Siobhan Banks)と研究員のグロッサー(Linda Grosser)氏の共著論文で、発汗は人体の冷却システムの正常な部分であり、熱を放散し、最適な体温を維持するのに役立つと述べています。しかし、夜間、睡眠中に頻繁に大量の汗をかく場合は異常と判断しなければなりません。この論文はウェブサイト「The Conversation」に掲載されています。

ひどい寝汗の原因は色々あります。無害なもの(寝室が暑い、運動など)もあれば、更年期障害、感染症、病気、投薬に関連したものもあります。
著者の二人によれば、脳の視床下部は内分泌器の一部で、体温をコントロールする中枢として機能しています。視床下部は臓器や皮膚の外側にある温度受容器からメッセージを受け取ります。

温度受容器は体温の変化を感知し、その信号を視床下部に伝えます。これらの信号によって、体は汗をかいて熱を放散するか、体が震えて熱を作ります。

ホルモンと寝汗

年齢と性別に関わらず、誰もが夜にひどい寝汗をかくことがあるかもしれませんが、女性の方が男性より寝汗を経験することが多いとバンクス博士とグロッサー氏は指摘しました。その主な理由は、閉経とホルモンレベルの変化です。
女性の約80%が閉経期(閉経後1年)や閉経の前後数年の閉経周辺期にホットフラッシュや寝汗を経験します。

「ホットフラッシュ」とは、上半身ののぼせ、ほてり、発汗などが起こる、更年期障害の代表的な症状。

ホットフラッシュとひどい寝汗は、どちらも体が暑いと感じますが、体験としては異なります。ホットフラッシュは日中に起こり、非常に短い発熱の現象で、発汗を引き起こすことがあります。一方、寝汗は夜に起こり、長時間にわたる発汗となります。

ホルモンは男性、特にテストステロン(男性ホルモン)レベルの低い男性の寝汗にも影響を与える可能性があります。45 歳以上の男性の約 38% がテストステロン低下を経験します。ホルモンはあらゆる年齢の男性のひどい寝汗に関連する可能性があります。

感染症、病気、薬物の影響

2人の研究者によると、体が感染症や病気と戦っているとき、通常、体温が上昇し発汗が起こります。それで体が冷え、体温が下がるのだと2人の学者は述べています。

風邪のような軽度の感染症、またはヒト免疫不全ウイルス (HIV) のような重篤な感染症でも寝汗を引き起こすことがありますが、ほとんどの場合、寝汗の他に、別の症状もあります。
特定の薬を服用している場合や、頻繁にアルコールを摂取している場合(特にアルコール依存症の場合)も、ひどい寝汗を引き起こす可能性があります。

特定の薬を服用している場合なども、ひどい寝汗を引き起こす可能性があります(tomcat / PIXTA)

ストレス、いびき、激しい運動も原因

論文では、心理的なストレスが不安を引き起こし、不安な人はしばしば夜間に寝汗を経験していると書かれています。ひどい寝汗は不安を高める可能性があり、さらに多くの汗をかいてしまいます。結果的に睡眠不足とさらなる不安をもたらす可能性があります。

ひどい寝汗は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)など、睡眠障害とも関連があります。OSAを持つ人は、寝ている間に呼吸が止まったり浅くなったりを繰り返します。睡眠中に息の通り道が塞がれるため、非常に大きないびきをかくこともあります。OSAを持つ人の約三分の一は、ひどい寝汗を経験しています。

また、激しい運動によって寝汗をかくことがあります。それは、激しい運動により甲状腺が刺激され、運動後 14 時間以内は基礎代謝量と体温が上昇するためです。ですから、朝に激しい運動をしたら、夜にはひどい寝汗をかくことがあります。

寝汗改善のアドバイス

さまざまな健康上の問題や薬の服用がひどい寝汗に繋がります。バンクス氏とグローサー氏は、論文の最後に夜間の多汗を改善する方法を共有しています。
睡眠中、頻繁にひどい汗をかいて苦痛を覚え、睡眠が妨げられ、疲労や体重減少などの症状が起きる(生活習慣や食生活の変化によるものではない)場合は、医師に見てもらう必要があります。医師は代替薬を処方するか、さらなる検査を勧めるでしょう。

同時に、以下の対策を試してみてください。

●涼しい部屋で寝ます。必要なら扇風機を使いましょう。

●寝る時は服をあまり着込まないようにします。通気性の良い綿やリネンのパジャマで寝ます。

●軽くて足で蹴飛ばせるような布団を選ぶと良いでしょう。合成繊維やフランネルの寝具の使用はやめましょう。

●湿気を逃がしてくれるマットレスや枕を使ってください。空気の流れを制限するマットレスや枕(例えば、発泡スチロール製のものなど)の使用は避けましょう。

●就寝前は辛い食べ物を食べないでください。カフェインやアルコールを含む飲み物は控えましょう。