今回、中共とベトナムが発表した「共同声明」には内容に違いがある。最大の違いはベトナム版が「運命」という言葉を削除していることだ。写真はベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長 (Photo by GLYN KIRK,BRENDAN SMIALOWSKI/AFP via Getty Images)

中共の運命共同体宣言をやんわりと拒絶 ベトナム書記長に袖にされた中共党首

中国共産党の党首、習近平が2日間のベトナム国賓訪問を終えた際、期間中に中国の公式メディアにとって非常に気まずいビデオ映像が撮影され、ネット上で熱い議論が巻き起こっている。

CCTV(中共中央テレビ)によると、12月12日の夜、ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長夫妻が習近平夫妻のために歓迎会を開催したが、放送された映像は、習近平とグエン・フー・チョン書記長らが会場に入る短いシーンのみであった。

一方、ベトナムの公式メディアは、この歓迎会についてより詳細に報じている。ベトナムテレビの映像では、習近平がグエン・フー・チョン書記長とベトナム国家主席のヴォー・ヴァン・トゥオン氏との間に座っている姿が見られ、習近平が立ち上がり、グエン・フー・チョン氏に向かって前に進み、おじぎをして敬酒したが、グエン・フー・チョン氏は立ち上がらず、座ったまま軽くグラスを合わせてから他の人に話を向けた。その後、習近平が続けてヴォー・ヴァン・トゥオン氏に敬酒した

習近平が立ち上がり、グエン・フー・チョン氏に向かって前に進み、おじぎをして敬酒したが、グエン・フー・チョン氏は立ち上がらず、座ったまま軽くグラスを合わせてから他の人に話を向けた(動画のスクリーンショット)

このビデオは中共中央テレビの報道では見ることができず、海外のソーシャルメディアプラットフォームXで広く拡散され、ネットユーザーの間で大きな話題となった。

習近平のこのベトナム国賓訪問は、6年ぶりの再訪である。外部の分析によると、米中関係の緊張の中で、両国はベトナムへの戦略的影響力を争っている。

今年の9月には、米国のバイデン大統領がベトナムを訪れ、米越関係を包括的な戦略的パートナーシップに昇格させた。その後、ベトナムはバイデン大統領に高い待遇を提供した。

今回、中共とベトナムが発表した「共同声明」には内容に違いがある。中共の公式メディアが発表した「中越共同声明」では、「両国は戦略的意義を持つ中越運命共同体を構築することで一致」とあるが、ベトナムが発表した声明では、「両国は戦略的意義を持つ越中共有未来共同体を構築することで一致」と述べており、最大の違いはベトナム版が「運命」という言葉を削除していることである。

時事評論家の楊威氏は、これはベトナム共産党が中国共産党と共同の「運命」を持つことを望まないことを示しており、米中が全面的に対立する中で、ベトナムは中共と同様の孤立する立場に立たないつもりであると指摘している。

関連記事
米議会の超党派議員は3日、ブリンケン国務長官宛てに書簡を送り、中国共産党による臓器狩りの阻止に向けた取り組みの […]
米宇宙軍の情報部長は、中国(共産党)は宇宙分野で戦略的な飛躍を達成し、アメリカ軍を狙うことができる広範な衛星ネットワークを配備していると指摘した。
米国の大手法律事務所は相次いで中国オフィスを閉鎖している。
1日未明、中国広東省梅州市にある「梅龍高速道路」で、路面の一部が崩落する事故があった。生還者が語る「人間地獄」とは…。
5月5日、中国共産党の党首である習近平はフランス訪問を開始し、エリゼ宮でマクロン大統領と会談を行った。