韓国洪城郡の養犬場の檻から外を眺める犬。2019年2月13日撮影 (Photo by Jung Yeon-je / AFP) (Photo by JUNG YEON-JE/AFP via Getty Images)

韓国、犬の食用禁止の法案可決  慣習撤廃に反発も

韓国国会は9日、食用を目的としたの飼育や食肉処理などを禁じる法案を208対0で可決した。2027年に発効する。違反した場合、3年以下の懲役または罰金3千万ウォン(約330万円)が科される。

韓国では何世紀にもわたって犬肉を滋養食として食べる習慣があったが、動物愛護団体による抗議活動や、犬をペットして飼う家庭が増え、犬食禁止を支持する声が高まっていた。愛犬家で知られる韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人も犬食に強く反対していた。

法案には犬肉業者の転業を支援する財政支援が盛り込まれた。韓国の農業省によると、国内には1100以上の犬飼育場があり、約1600のレストランに犬肉を提供しているという。

韓国人道協会国際事務局長の蔡正雅氏は、法案可決を受けて「この禁止令は、韓国の動物保護に対する姿勢に大きな転換点をもたらすもの」と強調した。

動物愛護団体「アウェア」の世論調査によれば、93.4%が「今後犬肉を食べるつもりはない」と答え、前年に行った調査の88.6%を上回った。

また、94.5%の回答者が「過去1年間に犬肉を食べたことがない」と答えており、犬食はごく一部の人々にしか親しまれていないことがわかった。犬肉を食べたくない理由としては「感情的に嫌悪感を覚える」との回答が圧倒的に多く、ついで「犬の繁殖と屠殺の残酷なプロセスに問題がある」となった。

一方で、犬肉ブリーダーや販売業者は反対している。食用犬は屠殺される際に感電死するか絞首刑に処されるとの動物愛護団体の主張に対して、業者らは現在は屠殺がより人道的になっていると強調した。

関連記事
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。
北朝鮮のアニメスタジオが、制裁下にもかかわらず日本や米国の人気アニメーション制作に関与していることが、朝鮮半島の情報分析を行うシンクタンク「38ノース」が22日発表した報告で明らかになった。日本政府は先月、北朝鮮のIT技術者の関与について警告を発したばかり。北朝鮮が制裁を逃れ、日本市場に関与している実態が浮き彫りとなった。
米国政府が、北朝鮮が遺伝子操作を通じた生物学兵器を生産できる能力を保有しているという分析を発表した。
韓国を訪問している米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は16日、非武装地帯にある板門店を訪れ、ロシアと中国に北朝鮮の制裁逃れを擁護しないよう求めた。
最近、尹錫悅(ユン・ソクヨル)韓国大統領は国家安全保障の観点から韓国海洋警察に中国の漁船の強い対応を求めた。