1月22日、岸田総理は、総理大臣官邸で令和6年第1回経済財政諮問会議を開催した(首相官邸)

経済財政諮問会議(令和6年第1回)が開催

22日、岸田総理は、総理大臣官邸で令和6年第1回経済財政諮問会議を開催した。

議事は(1)中長期の経済財政に関する試算、(2)目指すべき新たなステージに向けた特別セッション(DX推進、新技術の徹底した社会実装、EBPMの徹底)の2つ。

 

岸田総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べた。

「本日は中長期試算の報告を受けるとともに、お二人の有識者にも参加いただき、所得増と成長の好循環による、新たなステージに向けた経済財政政策について議論を行いました。

まず、今般の能登半島地震については、被災地の皆様が1日も早く安心して元の生活を取り戻せるよう、私が先頭に立ち、政府一体となって、現下の震災対応、そして、被災者の方々の生活と生業(なりわい)の再建支援に全力で取り組んでまいります。

その上で、今回の中長期試算では、民需主導の高い経済成長の実現、歳出改革の継続、財源確保の着実な実施等の下で、2025年度の国と地方を合わせた基本的財政収支の黒字化が視野に入ることが示されました。

引き続き、財政の持続可能性への信認が失われることがないよう、財政健全化を着実に進めてまいります。

このためにも、我が国を新たなステージへと引き上げていく必要がありますが、そのチャンスは今、正念場を迎えています。ここでデフレ心理を払拭するとともに、構造改革により日本経済の成長期待を高めていくこと、何よりも明日は今日よりも良くなるという社会にしていかなければなりません。

本日の御議論にもあったとおり、人口減少や少子高齢化といった我が国が抱える課題を、むしろ成長のチャンスと捉えること、その解決のために、DX(デジタル・トランスフォーメーション)や新技術の社会実装、官民連携での投資拡大等によりイノベーションを創出し、その中で、生産性の向上と新たな需要の喚起を図っていくこと、そして、これらの政策について、EBPM(証拠に基づく政策立案)により、効果の高い内容をメリハリをつけて実行していくこと、こうした取組の強化が必要です。

以上の観点を踏まえ、経済財政諮問会議では、中長期的な展望を見据えながら、変革期間において取り組むべき重点課題と具体的な方策について議論し、夏の骨太方針において取りまとめていただくようお願いいたします」

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